失敗しない「学校IT製品」の選び方:セキュリティ編【番外編】
「情報モラル教育」を学校だけが担うのはおかしい(1/2 ページ)
情報モラル教育の担い手は教育機関なのか、それとも家庭なのか。情報モラル教育はいつ、どのようにすべきなのか。教育機関のIT活用において見過ごせない、こうした課題に向き合う。
前編「“目隠しセキュリティ”は子どもをダメにする」、中編「LINEを悪者扱いする前に『情報モラル』を学ぶべき」、後編「学校が今、最低限すべき『情報セキュリティ対策』はこれだ」と3回にわたり、教育機関のセキュリティ対策に関する考え方や対策の具体例をお伝えしてきた。
教育機関のセキュリティ対策を考える上で無視できなくなっているのが、中編でも詳細に取り上げた「情報モラル教育」の在り方である。セキュリティを含む情報モラルは、誰が、いつ、どのように学習者に教えるべきなのか。本稿はセキュリティ編の番外編として、こうした疑問を論じていく。
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誰が教えるべきか
現在のところ、情報モラル教育を教育機関が担うべきか、それとも家庭が担うべきかは定まっていない。情報モラル教育に限らず、そもそも教育は、学校だけが担うものではなく、家庭が相互に分担して行うものだ。教育において家庭に一定の役割を担ってもらうとしても、このことで教育機関が自らの責任を放棄したことにはならない。とはいえ、家庭によってさまざまな事情があることを踏まえると、全ての家庭で的確かつ一定レベルの情報モラル教育の実施を期待するのは難しいのも事実だ。
明確な答えにはならないかもしれないが、現実的には教育機関と家庭の双方が情報モラル教育を担うしか方法はない。まずはそれぞれが、タブレットやアプリなどの利用について、「学校ではどう使うべきか」「家庭ではどう使うべきか」といったルールを定める。その上で、双方が学習者の行動を把握し、ルールに違反していないかどうか、想定外の危険なアプリや「学校裏サイト」などを利用していないかどうかといった情報を定常的に共有すべきである。
URLフィルタリングは免罪符ではない
「児童が事件に巻き込まれることを防ぐために、子どものスマートフォンには必ずURLフィルタリングを入れてください」――。2012年、当時小学校6年生だった私の子どもの担任が、授業参観後の学級懇談会で熱心にこうお願いしていた。聞くとその担任は、東京都内の弁護士事務所で情報モラルに関する講習を受けたのだという。当時はまだ、スマートフォンが爆発的に普及する少し前だった。こうした中、自ら危機意識を持って講習を受け、保護者にこうした話ができるこの教員の行動力は、非常に素晴らしいと思った。
ただし、1つだけ気になることがあった。それは、目の前の危機を回避するために、長期的には潜在的なリスクがより大きくなるという“副作用”が出てしまうことだ。保護者へのお願いの中には、URLフィルタリングの活用に伴う“副作用”に関する説明はなく、情報モラル教育の重要性に関する指摘もなかった。この教員は非常に熱心かつ真面目であり、その分真っすぐだった。この“副作用”という弊害を理解せずにURLフィルタリングを導入するだけでは、児童に“目隠し”をして現実を隠すだけだということに気付かなかったのかもしれない。
この教員は2012年の段階でインターネットの危険性を把握して対処しようとしていたのだから、称賛されることはあっても非難されることはあってはならない。ただし、小学生のときは閲覧制限により脅威に全く触れなくて済んだとしても、それはほんのひとときの平和でしかない。当然のことながら、小学生は成長して中学生になり、高校生になり、ゆくゆくは社会人になる。いつの段階で現実を教えるのかを決めずに、URLフィルタリングを免罪符のように使い続けるのは、結局は学習者のためにならない可能性があることを認識することが必要だ。
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失敗しない「学校IT製品」の選び方
教育機関がIT製品を導入する際、どのような点に気を付けて製品選定を進めればよいのか。製品分野の基礎知識をおさらいしつつ、製品選びのポイントを伝授する。
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