「SSD」(ソリッドステートドライブ)は、コンピュータで使用できるストレージハードウェアの一種だ。SSDは、電源を切ってもデータを失わず、永続的にデータを保存する不揮発性メモリを記憶媒体に採用する。SSDは「HDD」(ハードディスクドライブ)と比較して、データの読み書きが高速な傾向がある。SSDを使用すると、デバイスのOSの起動やプログラムの読み込み、ファイルの保存を高速化しやすい。(続きはページの末尾にあります)
情報漏えいやサイバー攻撃のリスクを防ぎながら、従業員が安全にテレワークを実施するために、企業が講じるべき対策とは。押さえておくべき6つのポイントを解説する。
テレワークを採用する企業が広がり、自社データを守るための対策がより重要になった。どのような点に注意が必要なのか。テレワークで発生しやすい6つのリスクを解説する。
一般的なSSDの場合、読み書きパフォーマンスが幾つかの理由から低下してしまうことがある。パフォーマンスを高める仕組みと併せて、パフォーマンス低下の主な原因を2つ解説する。
SSDの用途が広がってきた背景にあるのは、SSDの容量を増やす技術の進化だ。だが、SSDの大容量に伴うデメリットを避けるために、「第1世代のSSD」を選ぶこともある。
SSDの容量は「TLC」や「QLC」などの技術によって大きく増えることになった。そうした大容量化の技術が台頭する以前の、いわば「第1世代のSSD」の良さを復活させるSSDの使い方がある。昔のSSDがなぜ好まれるのか。
SSDの記録媒体であるNAND型フラッシュメモリの記録方式には幾つかの種類がある。その一つであるTLCやQLCを、あえてSLC式に使う手法がある。どのような利点が見込めるのか。
SSDなどのフラッシュストレージには、SLCやMLCなど複数の記録方式がある。それに加えて「疑似SLC」についても知っておくと、フラッシュストレージの選択肢が広がるはずだ。
PCの内蔵ストレージはほとんどがHDDではなくSSDになっているが、データセンターにおいても同様の変化が起きるのか。「HDDが終わりを迎える」という見方の背景にある変化とは。
SSDのデータ読み書き速度のパフォーマンスを最大限に引き出し、SSDをできるだけ長く使い続けるには、その特性を理解して運用をしなければならない。具体的な方法とは。
SSDの性能を最大限に生かしつつ、より長く使うには、SSDの特性を理解した運用をしなければならない。SSDの運用における2つのベストプラクティスを紹介する。
SSDとHDDを容量やコストで比較すると、以前に比べて両者の違いは埋まりつつあると言える。実際にはどれだけの違いがあるのか。価格と容量の観点で、SSDとHDDを比較する。
SSDとHDDの違いを正しく評価する上で欠かせないポイントになるのが、読み書きの速度に影響するパフォーマンスだ。速さに影響するパフォーマンスを細分化して考えると、より分かりやすくなるはずだ。
SSDの接続に使われる「NVMe」は、SATAやSASとは何が違い、なぜSATAやSASとは別物の技術だと見なせるのか。SSDをより深く理解するための基本を解説する。
SSDと比較するとHDDはレガシーな技術だと見なされてしまうが、HDDが企業向けのストレージとして活躍していることに変わりはない。内部構造や歴史を含めて、HDDの特徴をまとめる。
HDDの役割は今後、ある特性を持ったSSDに置き換えられていく可能性がある。背景にあるのは、NAND型フラッシュメモリの技術進化だ。鍵を握る「クアッドレベルセル」(QLC)を解説する。
SSDとHDDの容量単価の差は縮まってきている。一方でストレージを選定する際は、容量単価以外も比較することが欠かせない。SSDとHDDの具体的な比較ポイントと、それぞれの特徴とは。
NAND型フラッシュメモリだけではなく、「EEPROM」や「NOR型フラッシュメモリ」といった不揮発性メモリも、電子機器をはじめさまざまな用途で活躍している。容量の違いを踏まえて、それぞれの特性を見てみよう。
よく知られる「NAND型フラッシュメモリ」以外にも、「EEPROM」といった不揮発性メモリがある。こうした異なる不揮発性メモリはなぜ生み出され、それぞれ技術的にどのような違いや利点があるのか。
「SSD」の自己診断機能を使うことで、SSDの故障に事前に対処できる可能性がある。それを実現するには、どのような方法を取ればいいのか
重要なデータを「SSD」で扱うのであれば、SSDが突然故障する事態は避けなればならない。それに役立つ、SSDの余命を知るための機能とはどのようなものなのか。
HDDは、磁気ヘッドを搭載したアクチュエーターと呼ばれる機械式アームと、回転する磁気ディスクで構成されており、磁気でデータの読み書きをする。この構成は、各部品の故障につながる可能性がある。
SSDは、破損の可能性がある可動部品が存在しない。SSDは、NAND型フラッシュメモリと、データの読み書きを処理するコントローラーで構成されている。この構成は、連続したランダムなデータ読み書き要求に対して、高速な応答を実現しやすい。ただしSSDは、HDDに比べると高価になりがちだ。例えばSSDは、デスクトップPCやノートPC、コンピュータゲーム機、デジタルカメラ、デジタル音楽プレーヤー、スマートフォン、タブレット、USBメモリなどに搭載されている。
より高速なI/O(データ入出力)が可能なストレージへのニーズは衰えることはない。こうした中、SSDの開発やユーザー企業への導入が進んでいる。SSDはHDDよりも低遅延で、大量の読み取りやランダムアクセスを実行するアプリケーションのデータ処理を高速化しやすい。
高性能なサーバやデスクトップPC、ノートPC、リアルタイムでデータをやりとりする必要があるアプリケーションには、SSDが適している。企業向けのSSDは、例えば以下の目的で利用できる。
SSDは近年、企業向けストレージの改善手段として注目が集まっている。この傾向はSSDの容量当たりの価格の低下や、コンピュータの性能の向上が要因となっている。CPUのデータ処理速度は時代を追うごとに向上しているが、HDDの読み書き時間は大きな進展がない。現代のCPUは、HDDの読み書き速度をはるかに超えてデータを処理する。これによって生じる遅延を低減するために、HDDをSSDに置き換える動きがある。
HDDのユーザー企業は、ストレージを高速化するために、ショートストロークという手法で対処してきた。これは、磁気ディスクの最外周のみを使用することで磁気ヘッドの移動距離とトラック数を減らし、シーク時間(読み書き位置を移動させるのに必要な時間)を短縮する手法だ。ただしショートストロークで通常と同じ容量を確保しようとすると、より多くの磁気ディスクを積み重ねる必要がある。要求される性能は確保できるものの、経済的な解決策とは言えない。
一方でSSDはシーク時間が存在しないため、その分の遅延が抑えられる。特に記録媒体の特定の位置を指定してデータを読み書きするランダムアクセスでHDDより高速になる。ただし連続するデータを読み書きするシーケンシャルアクセスでは、SSDとHDDでランダムアクセスほどの差はない。
SSDと比較して容量当たりの価格が安い傾向にあるHDDは、アーカイブデータや大容量データの保管に広く使われている。一方でSSDベンダーは大容量のSSDを市場に投入しており、SSDは上述の用途でもHDDと競合する可能性が生じている。
SSDの進歩は容量の増加だけにとどまらない。ストレージインタフェースの「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)は、データ転送規格「PCI Express」(Peripheral Component Interconnect Express)に準拠したインタフェースを使用して、SSDとサーバのCPU間の通信経路を短縮する。これによってNVMeは、従来のSATA接続のSSDよりも低遅延で、高速なデータ転送を可能にし、アプリケーションのIOPS(1秒当たりの入出力処理数)を向上させる。
可動部(機械的な部品)を持たず、半導体メモリを使用してデータを保存するストレージ技術がソリッドステートストレージ(SSS)だ。SSSには、不揮発性のフラッシュメモリを使用するタイプと、揮発性のDRAM(Dynamic Random Access Memory)/SRAM(Static Random Access Memory)をキャッシュメモリや一時ストレージとして使用するタイプがある。フラッシュメモリにはNAND型フラッシュメモリとNOR型フラッシュメモリの2種類が存在する。
NAND型フラッシュメモリは、NOR型フラッシュメモリと比較して大容量で、シーケンシャルアクセスによるデータの読み書きが高速なため、一般的な企業向けストレージで使用される。NOR型フラッシュメモリはランダムアクセス方式によるデータの読み書きが高速で、産業用ロボットや家電などの特定の機能を搭載した組み込みシステムに主に利用される。両方とも不揮発性で、電源を切ってもストレージメディアのデータは保持される。
一方でDRAM/SRAMは揮発性で、データを保持するため常に電源供給が必要だ。DRAMはSSDのキャッシュメモリとして使用され、書き込みの速度向上や寿命延長に役立つ。SRAMは一般的にストレージ用途ではなく、CPUのキャッシュメモリとして使用される。
Storage Class Memory(SCM)と呼ばれる新しい種類のメモリも登場している。SCMはDRAMに近い高速なデータの読み書きが可能でありながら、不揮発性メモリであることが特徴で、SSDとDRAMの中間的な性能を持つ。SCMは大量のデータを高速で処理しなければならないアプリケーションに適する。