NAND型フラッシュメモリだけではなく、「EEPROM」や「NOR型フラッシュメモリ」といった不揮発性メモリも、電子機器をはじめさまざまな用途で活躍している。容量の違いを踏まえて、それぞれの特性を見てみよう。
不揮発性メモリの一種に、「EEPROM」(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)や「NAND型フラッシュメモリ」「NOR型フラッシュメモリ」などがある。不揮発性メモリは電源を失ってもデータを保持するメモリだ。これら3種はデータを保存する媒体としてさまざまな用途に使われている。
NAND型フラッシュメモリだけでなく、EEPROMやNOR型フラッシュメモリも、身近な電子機器を含む幅広い分野で活躍している。容量や主要用途を比較しつつ、これら3種がなぜ必要な不揮発性メモリなのかを紹介しよう。
EEPROMは、NAND型フラッシュメモリに比べると非常に小さな容量で販売されている。その主な用途は、電力メーターや自動車のオドメーター(走行距離計)などのような比較的少量のデータ保存が必要な用途だ。そのため、NAND型フラッシュメモリよりも容量がはるかに小さくても、EEPROMの容量としては適量になる。保存するデータは、例えばデバイス設定やシリアル番号、IPアドレス、ログなどだ。
NOR型フラッシュメモリのチップは、容量が4Mbit程度のものや2Gbit程度のものなどさまざまだ。NAND型フラッシュメモリに比べると、概して容量は少量だと言える。NOR型フラッシュメモリは、ランダムアクセス(アドレス指定によって任意のデータに直接アクセスする方式)によるデータの読み出しに優れている。この特性から、NOR型フラッシュメモリはマイクロコントローラー(電子製品を制御するための部品)に使われてきた。
NAND型フラッシュメモリは、汎用(はんよう)的なストレージ製品に使われており、比較的大容量となっている。NAND型フラッシュメモリの1Tbitのチップを16個のパッケージにした場合は16Tbit、つまり2TBのデータ保存が可能になる。
NAND型フラッシュメモリはSSDやUSBメモリ、スマートフォンなどに採用されている。企業のストレージ担当者がデータ容量に言及する場合、通常は記録媒体としてNAND型フラッシュメモリを前提にしている。
NOR型フラッシュメモリは、ファームウェアの設計といった専門の業務に関わっていない限り、一般にはなじみのない存在だ。サーバやPCのBIOS(ハードウェアを制御するプログラム)、ルーターなどネットワーク機器のファームウェアをアップデートする際、NOR型フラッシュメモリが用いられる。テレビやUSBキーボード、IoT(モノのインターネット)機器など、一見してストレージやプロセッサを積んでいないように見える電子機器にもNOR型フラッシュメモリが搭載されている。
EEPROMは、イーサネットに接続する機器の他、クレジットカードやインクジェットプリンタ、血糖値測定器のタグなどにおいて、シリアル番号やその他の固有情報を保存するために使われている。
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