フラッシュメモリの「NAND型」と「NOR型」にはどのような違いがあるのか。実はその呼称には、分かりやすい違いがある。仕組みの違いを踏まえて解説する。
「SSD」の記録媒体である「NAND型フラッシュメモリ」も、特定用途の組み込み用として使われる「NOR型フラッシュメモリ」も、1980年代に東芝の技術者だった舛岡 富士雄氏が開発した。どちらも記録媒体として使われるフラッシュメモリだが、両者には明確な違いがある。呼称に含まれる「NAND」や「NOR」は何を意味し、それぞれどう異なるのか。
NAND型フラッシュメモリとNOR型フラッシュメモリの違いや名前の意味を理解するには、まずは「論理ゲート」を理解する必要がある。論理ゲートとは、「0」「1」などの2個の値を用いる演算である「論理演算」(ブール代数)に用いる電子回路を指す。
論理演算も重要だ。「NAND」と「NOR」は、それぞれ論理演算の種類である以下の組み合わせになっている。
AND演算とNOT演算の組み合わせが「NAND」であり、「否定論理積」とも呼ばれる。OR演算とNOT演算の組み合わせが「NOR」であり、「否定論理和」とも呼ばれる。NANDとNORはそれぞれ、2個のバイナリ(2進数のデータ)の入力に対して出力を生成する。
論理ゲートである「NANDゲート」と「NORゲート」は、それぞれの論理演算について、入力の全パターンと出力を一覧にした「真理値表」を実装している。
NAND型フラッシュメモリでは、各メモリセルは読み書きのデータを送受信する「ビット線」と、対象のメモリセルを指定する信号を送受信する「ワード線」に接続する。ワード線は、読み書きの最小単位である「ページ」を複数まとめた「ブロック」内の、複数バイトを接続する。NAND型フラッシュメモリの各メモリセルは直列で接続するのに対し、NOR型フラッシュメモリは並列となっている。
第3回は、NAND型フラッシュメモリとNOR型フラッシュメモリのメリットを比較する。
記事掲載当初、タイトルやリード文、本文の一部で「NOA型」と記載していましたが、正しくは「NOR型」です。おわびして訂正します。本文は修正済みです。
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