膨大な量のデータを管理するためには、データ量を把握するための基準が必要だ。「ゼタ」や「ヨタ」の先にある新しいSI接頭語と共に、データ量の未来を考えてみよう。
IT分野でよく使用するメガ(M)やギガ(G)、テラ(T)などは、10の累乗(同じ数字を繰り返し掛け算すること)の大きさを表す接頭語である「SI接頭語」(SI:国際単位系)に当たる。世界のデータ量が増加する中で、ゼタバイト(ZB)の単位が使用されるようになっており、その先にはヨタバイト(YB)がある。ここにきて、これまで最大の単位だったYBを超える単位が登場した。YBの先の単位は何になったのか。データ量の将来を踏まえて見てみよう。
2022年秋に開かれた、世界共通の単位体系を決める会議「国際度量衡総会」(CGPM)で、ヨタ(Y)の次に来る以下2つの新しいSI接頭語が決まった。
こうした単位のデータ量をITベンダーやユーザー企業が扱うようになる未来は、まだ想像できない。米TechTargetのアナリストであるスコット・シンクレア氏は「エクサバイト(EB)単位のデータを扱う企業は耳にしたことがあるが、その次のZB単位のデータ量を扱う企業は聞いたことがない」と話す。
ロナとクエタが制定されるまで、SI接頭語の最大は、10の24乗であるヨタだった。10の18乗であるエクサ(E)の次が、10の21乗であるゼタ(Z)。ゼタの次がヨタだ。なじみのある単位であるTBで考えると、1YBはSIでは1兆TBに相当する。SSDで考えると、1YBのデータを保管するには、32TBのSSDが300億個以上も必要になる。
シンクレア氏は、企業がロナバイト(RB)やクエタバイト(QB)という単位を日常的に使うようになることはないとみる。一方で世界のデータ量の推移を見る場合には、RBやQBが必要になる可能性があり、学術的な面で重要な意味を持つ。
ITコンサルティング会社Dragon Slayer Consultingのプレジデント、マーク・ステイマー氏は、次のように話す。「世界のデータ量がZBを超えてYBの時代が到来すれば、RBやQBという単位を使用する機会が視野に入ってくる」
後編は、RBやQBの単位を実際に使う未来を想定して、より具体的にデータ量の増大を考える。
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