Hyper-Vの利用に当たっては、その仕様を理解しておくことが重要だ。今回はHyper-Vの機能を解説しつつ、注意点や押さえておくべき勘所を紹介する。
前編「正式リリース版で見るHyper-Vのアーキテクチャ」では、Hyper-Vのアーキテクチャについて解説した。今回は、Hyper-Vの各種機能やその機能を利用する際の勘所について解説する。
Hyper-Vの各種機能を説明する前に、Hyper-Vの導入方法を簡単に紹介しておく。Hyper-VはWindows Server 2008の基本機能の一部であり、導入は簡単だ。具体的な手順は以下の通り。
Server Coreの場合は、次のコマンドを実行する。
start /w ocsetup Microsoft-Hyper-V
以上の操作を行ったら、再起動する。以上でHyper-Vの導入は完了だ。
なお、手順3の更新プログラムは、サーバーマネージャでHyper-Vの役割を追加した後でインストールしても問題ない。
Hyper-V上の設定変更や仮想マシンの管理は、「Hyper-Vマネージャ」で行う(画面1)。Hyper-VマネージャはMMC 3.0のスナップインとして実装されている。
Hyper-Vマネージャでは以下の操作が可能である。
Hyper-Vマネージャは、Windows Server 2008(x86版)にも同梱されている。また、Windows Vista SP1にもインストール可能であり、クライアントPCからHyper-Vをリモート管理することもできる。
仮想マシンの作成は、Hyper-Vマネージャの右ペインで[新規]→[仮想マシン]をクリックすると起動する「仮想マシンの新規作成ウィザード」で行う(画面3)。ウィザードの指示に従い、仮想マシンのCPU個数やメモリ容量、HDD、ネットワーク、DVDドライブの設定を行えば、簡単に仮想マシンを作成できる。
ゲストOSのインストールは、ホストの物理CD/DVDドライブを仮想マシンに割り当ててOSのインストールメディアからインストールするか、ISOファイルイメージを利用する。
ゲストOSをインストールしたら、すぐに「統合サービス」をインストールしよう。仮想マシンの接続クライアントの[操作]→[統合サービス セットアップ ディスクの挿入]を実行し、セットアッププログラムの指示に従ってインストールを行えばよい。
Microsoftによって正式にサポートされるゲストOSは、以下の通り。OSごとにサポートされるCPUの数が異なる。また、Windows NT 4.0のような古いOSはサポートされない。
なお、ゲストOSごとにCPU数をチェックするような機構は存在しないため、以下に書かれたCPU数以上でも動作する可能性はある。ただし、正式サポートされないので注意が必要である。
OS | CPU数 |
---|---|
サーバOS | |
Windows Server 2008(x86、x64) | 1、2 or 4 |
Windows Server 2003 R2 SP2(x86、x64) | 1 or 2 |
Windows Server 2003 SP2(x86、x64) | 1 or 2 |
Windows 2000 Server SP4/Advanced Server SP4 | 1 |
SUSE Linux Enterprise Server 10 SP1/SP2(x86、x64) | 1 |
クライアントOS | |
Windows Vista SP1(x86、x64) | 1 or 2 |
Windows XP SP3(x86) | 1 or 2 |
Windows XP SP2(x64) | 1 or 2 |
Windows XP SP2(x86) | 1 |
※:サポートされるゲストOSやCPU数については、正式にはMicrosoftのKnowledge Baseで確認してほしい。
Guest operating systems that are supported on a Hyper-V virtual machine host
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