IT中毒になっているプロジェクトリーダーたちがようやく問題の存在を認識し、克服への第一歩を踏み出したと専門家は分析する。
SOA(サービス指向アーキテクチャ)プロジェクトのリーダーたちは、ガバナンスの改善に向けて第一歩を踏み出した。問題があることを認識したからだ。
Software AGの副社長兼CTO(最高技術責任者)代理を務めるミコ・マツムラ氏は、SOAガバナンスの現状を依存症克服プログラムに例える。同氏の結論は、Software AGの顧客を対象に行われた調査「Best Practices for SOA Governance Survey」(SOAガバナンスのベストプラクティス)に基づく。
マツムラ氏は調査結果について、「人々は混沌(こんとん)としたITの中毒になっている」と述べている。しかし彼らが問題の存在を認識し、克服への第一歩を踏み出したのは喜ばしいことだという。
「この調査は、圧倒的多数の人々が克服に向かって最初の一歩を踏み出したことを明確に示している。適切なガバナンスが必要であることを誰もが認識していることを示す傾向が調査で浮かび上がった」とマツムラ氏は語る。
次のステップは、これが自分たちだけで解決できる問題ではないと認識することだ。例えばチョコレート中毒の人は、チョコレート菓子を窓の外に放り投げるだけでは問題が解決しないことは分かっているだろう。そういった方法で悪習をやめようとしても、うまくいったためしがないからである。
「調査に回答した大多数の人は、SOAガバナンスへの取り組みが欠落している、あるいは未熟であると認識している」とマツムラ氏は指摘する。
混沌としたWebサービスの中毒になっている人に、「Microsoft Excelを使ったレジストリを保持するだけでは不十分であることを認める必要がある」とマツムラ氏はアドバイスする。より洗練されたツールに対するニーズを受け、SOA分野のベンダー各社もガバナンス製品の提供を急いでいるという。
同氏によると、SOA分野の多くのベンダーがガバナンスを重視するようになってきたという。顧客が「もうお手上げだ」と言っているからだ。
「市場は転換点を迎えた。SOAガバナンスを軽視していた多くの人が、それではだめだと気づいたのだ。彼らはSOAガバナンスを実行しなければならないこと、しかもきちんとやらなければならないという冷徹な現実を認識した」とマツムラ氏は話す。
しかし調査の結果を見れば、どんなツールを使って何をすべきかという第2段階については、IT分野の多くの人々にはまだ明確ではないようだ、と同氏は指摘する。
「この調査で浮き彫りになったのは、現状認識と、何をすべきかという理解、そして実際に何が行われているかという現実の間に存在する興味深いギャップだ」(マツムラ氏)
現在進行中のように見えるこの第2段階は、ベストプラクティスの理論という段階から一歩踏み出し、市場に出回っているレジストリ/リポジトリ製品などのガバナンスツールを利用して、実際にSOAガバナンスを運用する段階だ。
Software AGが2008年の4月から5月にかけて実施した調査に回答した178社の顧客は、ほかのリカバリプログラムと同様、次のステップについては、社内の支持は得られているものの、障害もあると指摘している。調査からは以下のような現状が浮かび上がった。
マツムラ氏もこの調査も、これらの問題をいかに解決し、SOAガバナンスのための現実的なベストプラクティスを実現するにはどうすればいいのかという解答は示していない。
調査報告書作成者は「ガバナンス市場はまだ初期段階にあり、広範に採用されるベストプラクティスがようやく現れ始めたばかりであるため、多数の未解決の問題が存在する」と記している。
陳腐な表現だが、大切なのは次のステップだ。
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