既存ソフトを購入する場合は、ビジネスに合わせてソフトをカスタマイズするためのコスト──もっと厄介な場合は、ソフトに合わせてビジネス手法を変更するためのコストを考慮する必要がある。
前回の記事「BIソフトとCPMソフトの違いとは」では、BI(ビジネスインテリジェンス)とCPMの本質的な違いについて述べるとともに、技術よりもビジネス手法を優先すべきであることを強調した。技術についていえば、「自社で開発するか購入するか」という問題がある。
「自社で開発するか購入するか」というのは、どんなITシステム構築プロジェクトにおいても重要な検討課題である。一般的には、ベンダーがサポートする既製のソフトウェアパッケージを購入する方がTCO(総所有コスト)は低いと考えられている。しかし自社開発よりも購入の方がTCOが低いという従来の常識は、購入したソリューションが自社のビジネスニーズを満たすという前提に立ったものだ。自社の要件に合致しなければ、既製のソフトウェアをカスタマイズするためのコスト──もっと厄介な場合は、ソフトウェアに合わせてビジネス手法を変更するためのコスト──によって、低いはずのTCOに深刻な影響が及ぶ恐れがある。
CPMソリューションを自社開発するか購入するかを検討するに当たっては、自社のビジネス要件と技術要件を評価することが極めて重要だ。だが現実には、ITシステムの購入に関する判断が、技術面とコスト面のみの検討に基づくケースが多く見られる。一般に技術仕様そのものは明確なので、何が得られるのか分かりやすいのだ。
しかしCPMパッケージを評価するのは、それほど簡単ではない。CPMパッケージで何が得られるのかを十分に理解するには、販促用のMicrosoft Office PowerPointスライドだけで満足せず、どんなプロセス、指標、データ定義、データソースがパッケージに実装されているのかを詳細に検討する必要がある。
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