Microsoftのクラウドコンピューティングビジョンは企業に受け入れられるだろうか――。ソフトウェアの専門家にWindows Azureの今後を聞いてみた。
ソフトウェアのベテラン専門家アンドルー・ブラスト氏が、MicrosoftのWindows Azure(以下、Azure)とSilverlight、そしてクラウドコンピューティングの現状と将来への新たな洞察を提供する。カスタムITソリューションベンダーのtwentysix New Yorkで新技術責任者を務めるブラスト氏は、特に「Azureがどのような段階にあるか、誰に恩恵をもたらすか、どのような普及カーブを描くか」を分析している。
:ブラスト わたしの大きな収穫は、2008年のPDC(PDC08)で紹介されたものの最新の展開を知り、理解を深めることができたことです。例えば、MicrosoftはPDC08でAzureを初めて発表しました。また、.NET Framework 4、Windows 7、Silverlightの新版、そのほかの新技術も紹介しました。PDC09は基本的に、これらの技術についてあらためて説明したものでした。参加者は、これらの開発がどのように進んだか理解できたはずです。エキサイティングな機能を備えるSilverlightの最新版についても同様です。
実は、PDCはミッションやアイデンティティーが変わってきています。今では、将来構想を打ち出すイベントというよりも、一般の開発者向けのイベントとなっています。もともとそうした趣旨の名前ですが、実のところ、従来のPDCは一貫して未来志向でした。しかし、PDC09で取り上げられた技術のほとんどが、半年後くらいにリリースされる予定のようです。AppFabric(編注)など、Azureをサポートする技術の一部は、具体的なリリース時期が発表されていません。しかし、PDC09では主に、18カ月かそれ以上先のことではなく、近い将来のことが大きくフォーカスされていました。
編注:AppFabricとはPDC2009で発表された、オンプレミスのWindows Server 2008と、Azure上の双方で実装されるアプリケーション実行環境。複数の製品やサービスを組み合わせることで、高可用性やスケールアウト、マルチテナントなどの機能を実現する。
:ブラスト 技術的にはすべての開発者が恩恵を受けるでしょう。もっとも、現状のAzureとMicrosoftが構想するAzureにはまだ若干のずれがあります。PDC09では、同社が目指す将来のプラットフォームの構成要素の1つとなるAppFabricが発表されました。AppFabricはWindows ServerバージョンとAzureバージョンが提供されることになっています。Windows ServerとAzureの各アプローチで可能な設計は同様の部分がたくさんありますが、かなり異なる環境をもたらします。
Windows Azureは段階的に整備されていくと思います。当初は先進的なプロジェクトに携わる限られた開発者が、ニッチとしてのこのプラットフォームをターゲットにしようとするでしょう。Microsoftの目標は、将来的にクラウドへのスケールアップ、クラウドからのスケールダウンをシームレスに行えるようにすることです。
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