安価なオンラインファイル共有・ストレージサービスを検討する分散型オフィスに欠かせないファイル共有ツール

小規模オンラインマーケティング企業の副社長である筆者は、Webベースのファイル共有ツールとしてGoogleドキュメント、Backpack、Dropboxを比較検討。最終的にDropboxを採用した理由とは?

2010年09月16日 07時30分 公開
[Ray Bhatia,TechTarget]

 ガレージから起業する時代は過ぎ去った。昨今の経済危機は、企業経営の新時代の先触れとなる起業ブームを促した。その背景には、小さなベンチャー企業の各メンバーが、全国あるいは全世界に分散して業務を処理するのに必要な技術が確立したことがある。間仕切りで囲まれた仕事スペースは過去のものとなり、携帯電話、自宅のブロードバンド接続、モバイルWi-Fiに取って代わられた。

 分散型ベンチャー企業では、デジタルドキュメントこそが生命線だ。加えて、「時は金なり」だ。小規模企業には、紛失したドキュメントを作り直したり、探し回ったりするような余裕はない。このため、わたしの会社が早い時期に取り組まなければならなかった重要課題の1つが、無償の(あるいは非常に低価格の)Webベースのファイル共有・ストレージソリューションを見つけることだった。

 成長中の小規模オンラインマーケティング企業の副社長を務めるわたしの任務の1つは、業務効率を改善するために、常に新技術の動向を把握し、自社のニーズに合った技術を導入することだ。しかし、新興企業のスタッフ同士の緊密な関係が逆に災いして、ユーザーが使いやすいと感じるファイル共有ソリューションを見つけるのは意外と困難であることが分かった。

 採用した人材が特定のソリューションの基本を理解していない場合があるため、理解しなくても使えるようなものでなくてはならない。どういったソリューションを選ぶにせよ、それが使いやすく、分かりやすいベーシックなものでなくてはならない。Webベースのファイル共有システムは、組織のメンバーが利用してこそ役に立つのだ。ワークフローを混乱させたり、コミュニケーションの方法を大幅に変更する必要があるようなものを安易に採用すべきではない。

 ベーシックなソリューションは使いやすさにつながるが、高価なソリューションでも大多数の従業員がいずれ慣れるものだということも心にとどめておく必要がある。有名企業での豊富な業務経験を持ち、一定水準の技術知識と専門性を持った優秀なスタッフを採用できる可能性もある。このため、最終的な選定プロセスでは、基本と慣れという2つの要素の間でバランスを取る必要がある。

ソリューションの選択プロセス

 われわれは2009年、適当なWebベースのファイル共有・データストレージシステムを探し始めた。それ以降に変更された技術もあるが、上述の原則は今でも全般的な選定プロセスに当てはまる。われわれは候補リストを、以下の3つの製品に絞り込んだ。

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