日常的にMacintoshを使用する医師は多く、電子カルテにも慣れ親しんだ画面や操作性を望む声は少なくない。今回は、現場の医師が開発したMac OS専用の電子カルテ「WINE STYLE」を紹介する。
今回はSJIが提供する診療所向け電子カルテ「WINE STYLE」を紹介する。WINE STYLEは、小児科の医師である高橋 究氏が1992年に開発したシステムをベースにしており、歯科以外の全診療科目に対応する。開発当初はフリーウェアとして提供され、1996年に神奈川県鎌倉市にある病院の外来部門に導入された。その後、2002年に製品化され、現在はSJIがその開発と導入のサポートを行っている。
WINE STYLEの特徴として、SJIの国内事業統轄本部 第二ソリューション事業部 医療情報システム部 大薗たえ氏は「Mac OS専用の電子カルテシステムである」ことを挙げている。WINE STYLEはMacProやiMac、MacBookといったMac OSが稼働するハードウェアを使用する。Mac OS専用である理由について、大薗氏は「Mac OSはウイルスの被害が少ない。また、日常的にMacintoshを使用している医師は多く、慣れ親しんだ環境で診察したいという要望に応えられるから」と説明する。
WINE STYLEは医療情報交換規格「MML」や臨床検査用規格「HL7」、医事会計・電子カルテ間の情報交換規格「CLAIM」といった主要な標準規格に対応しており、ほかの電子カルテや検査システム、画像システムなどとのデータ授受が可能。新患登録時にはCLAIMを介して、日本医師会の日医標準レセプトソフトウェア「ORCA」と連携する。WINE STYLEは診察室と受付に2台、管理用端末を1台設置する構成をその最小構成とする。主要機能は以下の通り。
業務名 | 機能 |
---|---|
新患登録 | 住所メモリ、患者顔写真登録、新患リスト作成一覧 |
受付業務 | 受付、体温設定、体重設定、待ち時間表示 |
診療業務 | ワードパネル入力、シェーマ図入力、診療履歴一覧、既往歴管理、プロブレムリスト、処方セット入力、Do処方入力、個人用薬品整理、禁忌薬品管理、乳児健診、年齢別・体重別自動処方計算、力価処方、患者リスト作成、各種書類作成、肥満度計算、検査・処置セット入力、処置指示書作成、HL7による検査データ読み込み、CLAIMによるレセプトコンピュータとの連動、各種検索機能、検査結果通知機能、自動カルテ表示、家族カルテ検索、付せん作成、予約機能、処方履歴表示、簡易画像管理 |
帳票一覧 | 頭書き印刷、医師記録、処方せん(院内・院外・入院)、証明書、診断書治癒証明書、他科依頼書、紹介状、カルテ表示、照射録、入院診療計画書、カーデックス、退院総括、服薬指導依頼、処置指示書 |
「WINE STYLEは医師が自ら開発していることから、実際に診療時に使う上での操作性を考慮している」(大薗氏)。例えば、ほかの電子カルテでは1人の患者情報が画面一面に表示されることが多いが、WINE STYLEでは「“机上に複数の紙カルテを広げる”イメージで同時に複数の患者のカルテを開くことができる」という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
トランプ氏勝利で追い風 ところでTwitter買収時のマスク氏の計画はどこへ?――2025年のSNS大予測(X編)
2024年の米大統領選挙は共和党のドナルド・トランプ氏の勝利に終わった。トランプ氏を支...
AI導入の効果は効率化だけじゃない もう一つの大事な視点とは?
生成AIの導入で期待できる効果は効率化だけではありません。マーケティング革新を実現す...
ハロウィーンの口コミ数はエイプリルフールやバレンタインを超える マーケ視点で押さえておくべきことは?
ホットリンクは、SNSの投稿データから、ハロウィーンに関する口コミを調査した。