失敗しないハイパーバイザーの選び方選定基準はスペックだけではない

効果的なサーバ仮想化を実現するためには、目的に合ったハイパーバイザーを選ぶことが重要だ。ハイパーバイザー選択の基準を幾つか紹介する。

2010年11月11日 08時00分 公開
[Danielle Ruest、Nelson Ruest,TechTarget]

 ハイパーバイザーおよびそれによって仮想化されるワークロードは、企業がハードウェアを効率的に運用することを可能にする。

 ワークロードが稼働する物理サーバの利用率が15%以下にすぎないことに気付いた企業は、サーバを仮想化するハイパーバイザーを利用して、物理サーバの利用率を80%以上に高めたいと考え始めた。

 複数の仮想ワークロードが稼働する物理サーバ(通常は物理サーバ1台当たり10ないし30、あるいはそれ以上のワークロードを保有する)は、効率の高い利用モデルを実現するだけでなく、グリーンデータセンターというコンセプトにも合致する。サーバ仮想化を可能にする手品の種は、ハイパーバイザーと呼ばれる小さなコードだ。これは、ハードウェアリソースを利用して複数の仮想マシン(VM)の運用をサポートするツールだ。VMそれ自体は、CPUコア、メモリ、ネットワークインタフェースカード(NIC)、ストレージを共有するOSインスタンスだ。これらはx86ベースのOSで、WindowsもしくはLinux32ビット版および64ビット版を実行できる。

ハイパーバイザーの活用

 ハイパーバイザーは、VM内でワークロードを稼働させる。VMは、企業が業務を遂行するのに必要な従来型のネットワーク化されたサービスを実行するのに利用される。ワークロードを管理する方法は従来と同じだ。VMは物理マシンとまったく同じように振る舞い、同じように外界と交信する。

 しかし物理サーバの管理方法は従来とは異なる。この新しい運用モデルは、サーバハードウェアを、ルータ、スイッチ、ストレージコンテナといったほかのハードウェアデバイスと同じレベルで扱う。サーバ群はリソースのプールとして高可用性クラスタを構成し、ユーザーが運用するワークロードが稼働するVMの可用性を確保する。

 ハイパーバイザーを最大限に活用するには、ニーズに合った製品を選択しなければならない。現在、何種類かのハイパーバイザーが出回っており、ハイパーバイザーを提供している企業も何社か存在する。正しい選択をするには、以下の点を検討し、どの製品が自社に適しているのか判断する必要がある。

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