仮想化プロジェクトの予算を正確に策定するには、要件をコンポーネントごとに検討するといい。それぞれのチェックポイントを紹介しよう。
もはや仮想化からは誰も逃れられなくなった。データセンターの構成要素は、ほぼすべてが仮想化できる。わたしはウェストミンスター大学で仮想化を導入するプロジェクトを率いた経験を通じて、この技術から最大の投資効果を得るためには、ハードウェアとソフトウェアの要件を含め、仮想化パズルの各ピースを戦略的に組み合わせる必要があることを学んだ。
各コンポーネントの要件を検討すれば、最初の段階で仮想化プロジェクトの予算を正確に策定し、後から費用の掛かる修正を避けられる。わたしがサーバ仮想化戦略を個別要素に分解し、各要素の予算を決定した方法を以下に紹介する。
仮想化を導入したからといって、データセンターでサーバを使用する必要がなくなるわけではないが、ITインフラの運用に必要なハードウェアの量を削減するのに、仮想化技術は大きな効果をもたらす。一方で、サーバ仮想化プロジェクトが、導入済みのサーバ構成に影響を及ぼすことは確かだ。
「VMware ESX」や「Hyper-V」などのハイパーバイザーは、標準的なx86サーバで単一のワークロードを実行するのではなく、複数のワークロードを同時に実行する。このため、仮想化で使うサーバは、従来のサーバよりもはるかに巨大な規模となる。VMware ESXを動かすマシンがデュアルコアあるいはクアッドコアプロセッサの強力な処理能力に加え、128Gバイトのメモリを搭載するという構成は珍しいことではないのだ。
仮想化戦略の一環で、わたしの会社では従来型のサーバから米Dellのブレードサーバ環境に移行した。各仮想ホストには、2個のクアッドコアXeonで動作し、ミラードブートディスクと32Gバイトのメモリを搭載したサーバを使用した。もしプロジェクトを一からやり直すとすれば、各仮想ホストに最低でも48Gバイトあるいは64Gバイトのメモリを搭載したサーバ構成で予算を組むだろう。
一般に仮想ホストのストレージは高いスペックを要求されない。主要なストレージはSAN(Storage Area Network)に置かれる。2台のHDDを用いたシンプルなRAID 1(ミラーリング)構成で、ローカルディスクにはシステムを起動するのに必要な容量しかないというのも極めて一般的だ。仮想ホストがストレージを一切備えず、システムはSANから起動するというケースもある。
仮想ホストではメモリが制約要因になることが多いため、メモリをけちってはならない。サーバを購入する時点で、できるだけ多くのメモリを追加することが大切だ。
サーバ仮想化が登場する前は、アプリケーションごとにストレージ容量とパフォーマンス(IOPS:I/O per Secondなど)に対する要件が存在していた。しかし仮想化では、アプリケーションを収容するサーバが仮想化層を通じてハードウェアから抽象化される。このため、一見分かりにくい追加的なIOPSニーズが存在する。
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