VMwareの仮想ディスクの作成方法であるシックプロビジョニングには、「Lazy Zeroed」と「Eager Zeroed」という2つの種類がある。それぞれの違いとは。
仮想化ベンダーのVMwareは、仮想マシン(VM)で利用する仮想的なストレージ「仮想ディスク」の作成方法として、「RDM」(RAW Device Mapping)と「シックプロビジョニング」「シンプロビジョニング」を用意している。前編「『RDM』(RAW Device Mapping)とは? VMware仮想ディスクの作成方法」に続く本稿は、シックプロビジョニングの2つの方式「Lazy Zeroed」と「Eager Zeroed」の違いを説明する。
シックプロビジョニングは仮想ディスクの作成後に、物理的なストレージの領域を事前に割り当てる。50GBの仮想ディスクを作成する場合、作成した仮想ディスクはストレージの領域をぴったり50GB消費する。このストレージ領域は他の仮想ディスクやVMでは使用できない。前述の通りシックプロビジョニングの方法にはLazy ZeroedとEager Zeroedの2種類がある。
Lazy Zeroedは、仮想ディスクの作成時に必要な最大のストレージ領域を割り当てる。注意点は、ストレージに格納されていた古いデータが仮想ディスクに含まれる可能性があることだ。そのため仮想ディスクに新しいデータを書き込めるようにするには、IT管理者が仮想ディスクにゼロを書き込み、初期化しなければならない。Lazy Zeroedでは仮想ディスクはすぐに作成できるが、IOPS(1秒間に処理できるI/O数)が増えるためデータ読み書きの速度が低下する場合がある。
Eager Zeroedは仮想ディスクの作成時に、必要な最大のストレージ領域を割り当てる。ストレージに元々格納されていた古いデータが、仮想ディスクに含まれることはない。Eager Zeroedで作成した仮想ディスクでは、予備のVMを構築してシステム停止に備える機能「VMware Fault Tolerance」が利用できる。仮想ディスクの作成時にストレージへゼロを書き込んで初期化するため、Lazy Zeroedと比べて仮想ディスクの作成に時間がかかる。ただし作成後の仮想ディスクのデータ読み書き速度は、Lazy Zeroedと比べると高速になりやすい。
後編は、シックプロビジョニングとシンプロビジョニングの違いを説明する。
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