AWSは「Amazon S3 Glacier」と「AWS IoT SiteWise」の新しいストレージクラスを提供開始した。これらのストレージクラスの特徴を説明する。
Amazon Web Services(AWS)はストレージサービス「Amazon S3」の内容に変更を加えた。2021年12月、Amazon S3の「S3 Standard-Infrequent Access」「S3 One Zone-Infrequent Access」「Amazon S3 Glacier Flexible Retrieval」という3つのストレージクラス(メニュー)で、ストレージ料金を最大31%値下げ。データアーカイブサービスの「Amazon S3 Glacier」と、産業機器向けのデータサービス「AWS IoT SiteWise」には新しいストレージクラスを用意した。
Amazon S3 Glacierには新たなストレージクラス「Amazon S3 Glacier Instant Retrieval」が加わる。AWSによると、Amazon S3 Glacier Instant Retrievalは医用画像や医療記録、報道映像、報道写真などを扱うユーザー企業をターゲットとする。アーカイブ用途に適しており、まれにしかアクセスしないデータをミリ秒単位で取得できるようにするのが特徴だ。
同じくアーカイブ向けストレージクラスであるS3 Glacier Flexible Retrievalの場合、小規模なデータのリクエストには1分程度、アクセス頻度の低いデータの大量リクエストには最大12時間を要する。「S3 Glacier Deep Archive」は、まれにしか使わない、あるいはアクセスしないデータを12時間以内に利用可能にするストレージクラスだ。
北米東部(バージニア北部)のリージョン(AWSの地域データセンター群)の場合、Amazon S3 Glacier Instant Retrievalの料金はストレージ1GB当たり0.004ドル。S3 Glacier Flexible Retrievalは1GB当たり0.0036ドル、S3 Glacier Deep Archiveは同0.00099ドルに設定されている。各ストレージクラスの料金はリージョンによって異なる。
産業機器で生成されるデータを収集するAWS IoT SiteWiseには、新たに2つのストレージ階層が加わった。「ホット層」はリアルタイムアプリケーションのデータ保存、「コールド層」は分析アプリケーション用のデータの蓄積を中心的な用途とする。AWS IoT SiteWiseを利用することで、ユーザー企業は産業機器の稼働状況に基づくモニタリング用アプリケーションやアラートを作成できる。
操業監視ソフトウェアや生産状況を確認するためのダッシュボードといった、低遅延の書き込みや読み取りが必要なアプリケーションにはホット層のストレージが適している。コールド層のストレージは、履歴データやレポートデータ、バックアップデータを利用するアプリケーションに向く。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
TikTokのトレンドに変化 なぜ「1分超え」動画が見られている?
Bufferのデータによると、TikTokでは最近、長めの動画が人気を集めている。
アドビが「10種類のAIエージェント」を発表 顧客体験はどう変わる?
アドビの年次イベント「Adobe Summit 2025」が開催された。初日の基調講演では、アドビの...
「ブランドは叩かれて強くなる」 ジャガーのCMOが語った炎上の乗り越え方
SXSWで開催された「Female Quotient」のイベントにおいて、Jaguar Land Roverの米国CMOは...