社内外のコミュニケーション形態を変えるツールが続々と登場しているが、現状その利用法は企業によってさまざまだ。社内、社外それぞれのコラボレーションの在り方を考える。
コラボレーションプラットフォームの販売ラッシュから見て、エンタープライズコラボレーションはホットな分野だ。だが、コラボレーションが特に威力を発揮するのは、何かに熱中している社員の社会的交流の意欲を生かした場合だ。
これは、先ごろ米マサチューセッツ州ボストンで開催されたコンテンツとコラボレーションがテーマのGilbane Conferenceで行われたパネルディスカッションで、エンタープライズコラボレーションの専門家らが訴えたメッセージだ。
小売り大手の米Best Buyは、2年前に楽器販売事業を立ち上げた際、オンライン顧客サポートのために珍しい人選でスタッフを動員した。所属部署にかかわらず、音楽好きの社員全員に声を掛けたのだ。
「彼らは大の音楽ファンの社員を募り、会社のオンラインコミュニティーをサポートしてほしいと頼んだ」と、パネリストを務めた米Human 1.0のフランソワ・ゴシオー社長は語った。同社はマーケティングコンサルティングを手掛けている。
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新規事業のために販売チームと顧客サポートチームを投入するだけでなく、Best Buyは、週末にバンドで演奏している財務担当者から大学で音楽を専攻した社員まで、音楽を愛好する全ての社員に、顧客とコミュニケーションを取ることを呼び掛けた。この例では、エンタープライズコラボレーションは社員にとって遂行しなければならない職務ではなく、自らの意欲、つまり、やってみようという気持ちに基づく社会的交流だった。エンタープライズコラボレーションの専門家は、そのアプローチが大きな効果を生むと強調した。
「職務記述書に記載されていないことでも社員の力を借りられれば、従来の予算では不可能な大掛かりなことができる」(ゴシオー氏)
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