SRF幹事会員の中では希少なソフトウェア専業ベンダーであるヴィンキュラム ジャパン。2011年1月に米国で開催されたコンベンションで注目を集めた日本のWS-POS仕様開発にも多大に貢献した。
「さらなるユーザー企業の参加が重要」──Smarter Retailing Forumとマイクロソフトの流通IT標準化活動
「注意すべきは国内POSのガラパゴス化」──世界のPOS発展を導く日本発の標準化提案
米国主導でPOS標準化が進む現状を変えたい──日米間で奮闘するセイコーエプソン
2011年の1月9日~12日にニューヨークで開催された、全米小売業協会(NRF)主催の「NRF 100th Annual Convention & EXPO」。そこでSmarter Retailing Forum(SRF)の次世代POS研究会(Web Service POS Initiative:WS-POS)が公開したWS-POS 1.1の実装レベルのデモストレーションは、米国ARTS(the Association for Retail Technology Standards)傘下のUnified POS(UPOS)陣営を大いに刺激することとなった。
デバイスのインタフェース標準化を目指してPOS for .NETやJava POSを包含する形で、よりオープンなPOS標準の実現を模索してきたARTS UPOSであったが、既存アーキテクチャでのさらなる高度な標準化策定は困難だった。それに対し、XML制御によるWebサービスを基盤にしたネットワーク対応型POSソリューションの標準化を目指すWS-POSをいち早く形にした日本の次世代POS研究会およびSRF。WS-POS 1.1で示された標準技術はUPOS 2.0にも取り入れられると予想されている。
デモではモバイルデバイスの象徴ともいえるiPhoneやiPadにPOSアプリケーションを表示し、NECのスキャナーで商品のバーコードを読み込んだり、購入した商品のレシートを東芝テックのプリンタで出力したりする様子が実演され、ベンダーごとに閉鎖的だったPOSのアプリケーションやデータの共有が無限に可能なことを証明した。
そのデモを行ったブースには、SRF会員企業でOPOS技術協議会の国際部会長であるセイコーエプソン(関連記事:米国主導でPOS標準化が進む現状を変えたい──日米間で奮闘するセイコーエプソン)や、.NET流通システム協議会の技術部会長を務める東芝テック(関連記事:「注意すべきは国内POSのガラパゴス化」──世界のPOS発展を導く日本発の標準化提案)の担当者とともに、WS-POSのソフトウェア開発に尽力したヴィンキュラム ジャパン プロダクト事業部 クラウドサービス部 マイクロソフト技術グループ グループリーダーの安元豊博氏の姿もあった。
OPOS技術協議会や次世代POS研究会をはじめとするSRFの協議会・研究会については、本連載の第1回「『さらなるユーザー企業の参加が重要』──Smarter Retailing Forumとマイクロソフトの流通IT標準化活動」を参照してほしい。
「WS-POSのデモは、POS業界がベンダーの垣根を超え、ようやく真の意味でオープン化が近づいたことを実感させるものになったと思います」(安元氏)
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