Office 2010導入の問題とその解決方法【第1回】
絶えず変更されるUI、それでもOffice 2010に移行しますか?
MicrosoftにはOfficeのUI改善に取り組むチームがあると思う。しかし、「一般的な各種操作に関連する機能をまとめれば使いやすくなる」という発想で、ユーザー企業にアップグレードを訴求できると思ったら大間違いだ。
筆者はMicrosoft Office(以下、Office)のファンではない。15年も使っているがいまだに好きになれないし、一生ファンになることはないだろう。理由は単純だ。新バージョンに移行して機能の変更があるたびに、一般のユーザーはフラストレーションを感じるし、何よりも多額の関連費用が発生する。アイコンの色の変更やメニュー項目の再編成など、ユーザーにとってありがたくない変更はめじろ押しだが、根本的なOfficeの問題はいまだに解決されていない。本稿では、Officeにまつわる筆者の実体験を交えつつ、ユーザーインタフェース(UI)の問題を指摘したい。
ストレスを生むユーザーインタフェースの変更
バージョンを問わず、筆者がOfficeについて最も不満を感じるのは、メニューの編成やアイコンの色など、絶えずUIが変更される点だ。
何年か前に、私はMicrosoftの米国本社で開催されたMVPカンファレンスに出席した。そのカンファレンスで、Office 2007の開発チームによる発表があり、参加したMVPたちはこの開発チームの面々を気の毒なほど糾弾したが、そのとき指摘された内容はおなじみのものだ。
- メニューが複雑過ぎる。一般的な機能が、普段使わない機能に埋もれている。例えば、Wordにはプロの編集者が使うような高度な機能が多数搭載されている。そのような機能は、基本的なワープロ機能しか必要としない大半のユーザーの邪魔にならないように隠されるべきだろう
- バージョン間でメニューの編成があまりに異なるため、ユーザーのトレーニングが必要になり、そのための費用が発生する。あるMVPの会社では、最新バージョンのトレーニングを実施する予算がないためにWord 6.0を使い続けているが、それで十分間に合っているという話が聞かれた
- Officeの新バージョンを導入すると、ユーザーの生産性が大幅に落ちる
Microsoftは、Wordのツールバーの変遷を調べて、UIが複雑になり過ぎたことを認めている。Wordの最初の3バージョンでは1つしかなかったツールバーは、Word 2003の時点では数百種類に達していた。そこで、Office 2007ではシンプルなUIを目指してリボンを導入し、煩雑になったUIの整理に乗り出した。その結果、表面的には整理されたように見えるが、機能自体は依然としてそこにある。
Office 2010ではリボンが刷新され、Officeボタンがなくなったところをみると、2007での取り組みが失敗だったことは明らかだ。そのことはさまざまな形で確認できる。例えば、私の同僚がOutlook 2007にアップグレードしたとき、同僚をたきつけてすぐにプリンタアイコンを見つけられるか試してもらったが、簡単には見つけられなかった。
Microsoftには、この問題の改善に取り組むチームがあると思うが、彼らは一般的な各種操作に関連する機能をまとめれば使いやすくなるという発想で、メニューを設計しているように見える。そのような発想は、Officeのまったくの初心者で、既存のメニューを使ったことがないユーザーには有効かもしれない。しかし、以前のメニューの編成に慣れているユーザーの場合、新しいロジックに基づいた新しいメニュー編成は効率向上にはつながらない。ユーザーの生産性は落ちるだろう。「プリンタアイコンの場所は?」そんな問い合わせが、ヘルプデスクに多数寄せられるのではないだろうか。そんな発想で、Officeのアップグレードを訴求できると思ったら大間違いだ。
筆者はOffice 2010の導入に反対しているわけではない。ただし、幾つかの要素を検討した上で、導入のタイミング、さらには導入自体の可否を判断する必要があるだろう。次回はOffice 2010に移行するかどうかを考える上での基本的な検討事項を挙げるとともに、Excel、Wordの問題を指摘したい。
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Office 2010導入の問題とその解決方法
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