Microsoftのオープンライセンスプログラムを利用するよりも安価にMicrosoft Officeへのリモートアクセスを実現できる方法を、前後編に分けて紹介する。
仮想化シナリオで米MicrosoftのWindowsのライセンスを取得する難しさが取り沙汰される一方、誰もが言及を避けている重要な問題がある。つまり、仮想マシン(VM)またはターミナルサービス(TS)セッションで運用されるアプリケーションのライセンスはどうなるかということだ。リモートデスクトップサービス(RDS、TSの後継)ライセンスを取得すれば万事解決で、Microsoft Office(以下、Office)などのアプリケーションを実行できるのだろうか? 会社のコンピュータでOfficeのライセンスを取得していれば、リモートからOfficeにアクセスする権利が得られるのだろうか?
残念ながら、実際には一筋縄にはいかない。
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TSおよびリモートからアクセスされるVMには、Officeのライセンスは不要だ。Officeのライセンスは、インストール先のコンピュータに付与されていて、そのコンピュータからリモートセッションにアクセスするからだ。この仕組みを不思議に思うなら、ターミナルサーバのライセンス1本を販売してOfficeの使用を許可する場合と、TSにアクセスする100台のコンピュータをライセンスしてOfficeの使用を許可する場合とで、Microsoftの懐に入る金額を比べて見るといい。
また、Microsoftは、ローカルコンピュータのライセンスと、TSまたはVMで実行するソフトウェアとの対応状態についても厳しく規定している。ライセンス対象のOfficeとリモートのOfficeインスタンスのバージョン、エディション、言語は完全に一致するか、アクセスする側のコンピュータのボリュームライセンス版Officeが上位のエディションである必要がある。例えば、Office 2010 Professional Plusのライセンスがあるコンピュータからは、Office 2010 Standardのリモートインスタンスにアクセスできる。
会社のEnterprise Agreement(EA)の下でOfficeのライセンスが適用されている会社所有のモバイル端末を使用している場合は、必要なライセンスがそろっているはずだ。OfficeもカバーされるEAを会社が契約している可能性があり、その場合、会社が所有する全てのコンピュータにOfficeのライセンスがある。従って、このようなコンピュータを使用する限りOfficeのリモートインスタンスにアクセスできる。
しかし、会社の全てのコンピュータに同じバージョンまたは同じエディションのOfficeがライセンスされていない場合は、ユーザーがリモートから会社のネットワーク上のOfficeにアクセスする際には注意が必要だ。ユーザーの自宅のコンピュータや個人のノートPCには、Officeへのリモートアクセスに必要なライセンスがない可能性があるからだ。
では、リモートからアクセスできるようにOfficeを正式にライセンスするにはどうすればよいか。最も高くつく方法は、MicrosoftのOpen License(オープンライセンス)プログラムを利用して、ユーザーのPC用にOffice Professional Plusを1本購入することだ。この場合の費用は508ドルだが、それよりも安く済む方法が幾つかある。
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