“Windows 8タブレット”は企業利用に耐えるか【前編】
コスト削減効果は数万ドル? Active DirectoryによるWindows 8タブレット管理
Windows 8はタブレット向け機能を数多く搭載する。だがWindows 8タブレットは本当に企業利用に耐えるのだろうか。前編はWindows 8の機能面からその可能性を考察する。
Microsoftの次期OS「Windows 8」には、タッチ操作などタブレット端末向けの機能が組み込まれる。果たしてWindows 8タブレットは、エンタープライズ市場において安住の地を見つけられるのだろうか。
ビジネスタブレットのトレンド
企業はタブレット端末の導入を本格化させつつある。その流れを先取りしている先進的な企業の多くはAppleのiPadやその管理ツールを導入し、Appleのアドバイスやサポートを受けて利用している。だがエンタープライズ市場は当然ながらWindowsの金城湯池だ。特にノートPCやデスクトップPCのシェアは他を寄せ付けないほど大きい。Windows 8はこの先、エンタープライズ市場におけるタブレット端末の普及を促進することができるのだろうか? それとも、他のタブレットOSが浸透できないニッチな立ち位置を見いだすのだろうか?
Windows 8が最終的にどのような機能を搭載し、いつ市場に姿を現すか。正式なアナウンスやリリースがされるまで、われわれに知るすべはない。リークされたというロードマップを基に、ちまたでささやかれているうわさがある。2012年1月に開催の「CES 2012」でWindows 8のβ版が、同じく2012年春に開催の「MIX 2012」でWindows 8のリリース候補版が発表され、正式発売は2012年8月――という内容だ。うわさはともかく、問題はWindows 8がタブレット端末でどれだけスムーズに機能し、どういったレベルのユーザーエクスペリエンスが提供されるか、である。
以下、これまでに判明したWindows 8に関する事実と、いまだ明らかになっていない点をまとめた。
タブレット機能
公表されたWindows 8のタブレット機能には、次のようなものが含まれる。
Metro
タッチスクリーン向けに開発された“タイル型”のユーザーインタフェース(UI)。スマートフォン向けOS「Windows Phone」のUIと類似している。従来型のUI(クラシックデスクトップUI)とワンタッチで切り替え可能だ。
x86系以外のチップサポート
Windows 8はモバイルやハンドヘルドをはじめとする低消費電力型端末に搭載されるARMチップでも実行可能だ。だがARMバージョンのWindows 8は、従来のx86アプリケーションは実行できない。サポート対象はMetro UI向けに開発されたアプリケーションのみである。
NFC
近距離無線通信技術である「Near-Field Communications(NFC)」のサポートも注目点の1つだ。米ITコンサルティング会社Fino Consultingのマネージングディレクター、Brian Fino氏は次のように話す。「スマートフォンやタブレット端末に幅広く普及しつつあるNFCは、セキュリティやパーソナライゼーション、コマース機能の標準化に役立つと見ている」
Wi-Fi Direct
無線通信で機器同士を直接接続する「Wi-Fi Direct」の利用が可能だ。Wi-Fi Directを使うと、Wi-Fiネットワークを経由することなく、Bluetoothデバイス同士の接続と同じようにタブレットと他のWi-Fi Directデバイスを直接接続することが可能になる。
アプリケーション
Metro UI向けに開発されたアプリケーションの配布や販売ができるアプリマーケット「Windows Store」が用意される。
他のタブレットOSと同じように、Windows 8もWebベースのサービスが利用できることに疑いの余地はない(iOSがAdobe Flashをサポートしないのと同様、ある程度の制限がある可能性はあるが)。「Citrix XenDesktop」や「GoToMyPC」「VMware View」といったデスクトップ仮想化やリモートデスクトップのシステムを利用すれば、シンクライアント端末として利用することも当然可能だ。
中堅企業向けITベンダーであるSWC Technology Partnersで契約マネジャーを務めるピート・リー氏によると、エンタープライズITに大きな変化をもたらしそうなWindows 8の利点の1つがActive Directoryによる管理だという。「現行のWindowsマシンと同じように、Windows 8搭載端末はActive Directoryで集中管理できる。コスト削減効果は数万ドルに上る可能性がある」とリー氏は指摘する。「Active Directoryのグループポリシーで一元管理できるWindows 8は、iPadやAndroid端末よりもIT部門にとって管理しやすいだろう」(同氏)
後編は、Windows 8を搭載するタブレット端末がどういったものになるかをハードウェア面から考察しつつ、Windows 8タブレットが企業利用に適するかどうかを探る。
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