米Displaybankの日本事務所は、2011年12月14日、次世代透明電極に関して調査結果の抜粋を発表した*2)。それによると、次世代透明電極に関連する特許が2000年度以降に継続して増加傾向を見せている。
2008年をピークに年間100件以上の特許が出願されたという。2002~2009年の出願増加率は、年平均51%だ。調査対象は1986年以降に出願された日本や韓国、米国、欧州、PCT(PCT:Patent Cooperation Treaty)特許、490件である。
*2) 詳細は、同社が発刊した「次世代透明電極の核心特許分析」レポートを参照。
国別では日本が212件と特許出願数が最も多く、次いで韓国、米国だった(図2)。
ITOの代替材料は導電性が高いグラフェンや開口率を高くできる金属ナノワイヤー、透明な高分子導電体(PEDOT)、ITO以外の透明導電酸化物(TCO)、カーボンナノチューブ(CNT)である。
材料別ではカーボンナノチューブを用いた透明電極に関する特許出願数が203件で全体の41%を占めた。同社の分析によればカーボンナノチューブ透明電極は、タッチパネルへの応用が最も多い。出願数が最も多かったのは韓国電気研究院(KERI)だという。
材料で2番目に多かったのが金属ベースの透明電極である。コニカミノルタや富士フイルムと、米Cambrios Technologiesの関連特許出願が多かった。
高分子導電体(ポリマー)では、Hanita CoatingsやCimaNanoTechなど、イスラエル企業の関連特許出願が多いことが分かった。
出願数はそれほど多くないが、Displaybankは次世代透明電極の中で最も有力な材料としてグラフェン電極に着目した。グラフェン電極では、韓国企業と大学を中心に特許が出願されており、成均館大学が最も多くの特許出願をしていることが分かった。Displaybankによれば、グラフェンの研究開発はいまだ初期段階にある。しかし、今後、グラフェンの合成と大量生産に関する研究成果が特許に反映され、出願が増加すると予想した。
この他、ナノワイヤーベースのメッシュ型透明電極や酸化物・金属・酸化物(OMO:Oxide-Metal-Oxide)などの異種材料が接合されたハイブリッド型透明電極なども開発が進んでいるという。
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