2011年は東日本大震災の影響からか事業継続のためのクラウド活用を記したホワイトペーパーが人気を集めた。クラウド&SaaSに関するホワイトペーパーの中から、2011年にダウンロード数が多かった10コンテンツを発表する。
TechTargetジャパンでは、ホワイトペーパーダウンロードセンターでITベンダー各社が提供するホワイトペーパーを公開している。
今回は、2011年(2011年1月1日~12月31日)におけるクラウド&SaaSに関するホワイトペーパーのダウンロード数ランキングトップ10を紹介する。
順位 | ホワイトペーパータイトル | 提供ベンダー |
---|---|---|
1位 | 【事例】ビジネス継続性の強化のために――クラウドで作り上げた「1人情シス」の奮闘 | ソニービジネスソリューション |
2位 | クラウドコンピューティング導入状況分析結果 | ヴイエムウェア |
3位 | 停電・災害に左右されない「システム継続性」を迅速に確保する方法 | クラウド テクノロジーズ |
4位 | クラウドに最適な認証セキュリティとは ~2要素認証で手軽かつ強力にクラウドの入口を保護~ | 日本セーフネット |
5位 | 開始11カ月で600社の導入実績。「ニフティクラウド」の活用事例集を解禁! | ニフティ |
6位 | 次世代ファイアウォールはこう使え! クラウド・SaaS時代の運用管理術 | NRIセキュアテクノロジーズ |
7位 | クラウド導入の注意点と実現のためのステップ ~アウトソーシングはどう変わるか~ | ヴイエムウェア |
8位 | スマートフォン向けセキュリティ管理サービス | 富士通ビー・エス・シー |
9位 | Web会議導入事例:野村證券「WebExを全社展開、1年で延べ参加人数4万4613人を記録」 | シスコシステムズ |
10位 | 標準メールシステムとして導入が進む ビジネスWebメールの時代がやってきた! | トランスウエア |
以下、1位から10位までを簡単に振り返ってみたい。
2011年は東日本大震災の影響によって、事業継続への意識が非常に高まった年だった。また、節電や停電、災害復旧やバックアップ確保を目的としたクラウド導入への注目度もかつてないほどに高まった。こうした意識の変化は、ホワイトペーパーのダウンロード数ランキングにも表れている。1位、3位は共に事業継続とクラウドの活用がテーマだ。
1位では、従業員が約150人、全国14カ所の事業拠点を持つ中堅メーカー日清紡ポスタルケミカルの事例を紹介している。同社は、事業継続性の強化と内部統制強化を目的にイントラネットのホスティングサービスを開始した。ホワイトペーパーでは、同社がクラウドの導入に至った経緯とその効果を解説している。
3位は、東日本大震災を受けて、クラウド テクノロジーズが2011年3月に緊急リリースしたホワイトペーパーだ。「大震災にも耐え得る物理的に安全な環境とは」「停電が起きてもシステム維持が可能な方法とは」など、震災に直面したユーザー企業のIT担当者から寄せられた声を紹介する他、システム面における3つの「災害対策支援」の概要として、同社のプライベートクラウドサービスなどを解説している。
2位ではクラウドの導入状況に関する調査結果、7位ではガートナーによるクラウドの今後5年間の展望、オンプレミスに対するクラウドのメリット/デメリットがまとめられている。クラウドの利用が進む一方で、避けては通れないのがセキュリティ課題だ。
ご覧の通り4位、6位、8位にはセキュリティに関するホワイトペーパーがランクインしており、セキュリティに関する懸念は根強いとうかがえる。
4位のホワイトペーパーでは、クラウドにアクセスする際に必要となるID、パスワードがサイバー攻撃の脅威にさらされている危険性を訴え、認証ソリューションを紹介している。
6位では、次世代ファイアウォールの特徴や必要性について訴えている。SaaSとしてさまざまなWebアプリケーションが普及している現在、従来型の「IPアドレスとポート番号」での制御では不十分だ。次世代ファイアウォールでは、「Webアプリケーション単位」「ユーザー/グループ単位」でアクセスをコントロールし、アプリケーションごとに必要なユーザーにのみアクセスを可能にする。
8位には、スマートフォンのセキュリティ設定を一元管理するクラウドサービスに関するホワイトペーパーがランクインした。スマートフォンなど新たなエンドポイント端末の普及が加速する中で、企業においてもこうした端末を業務で活用するケースが増えてきている。
9位、10位には、WebメールやWeb会議といった業務アプリケーションに関するホワイトペーパーがランクインした。業務アプリケーションのクラウドサービスは、ユーザー企業にとって導入しやすく即戦力として利用できるため利便性が高い。今後は、メールやグループウェア以外にも、ERPや会計システムなども含め、企業の中核を担う業務アプリケーションのクラウドサービスでの利用がさらに増えていくだろう。
今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、技術文書や製品資料、事例紹介などを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。
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