日立グループ2社とホンダは共同で遠隔拠点へのデータ伝送を高速化する仕組みを構築。本格的なグローバル設計・開発環境構築を後押しする。
日立製作所は拠点間の通信ネットワーク速度を高速化するアクセラレータ「日立WANアクセラレータ GX1000」を2012年1月12日から販売する(出荷開始は2012年2月29日)。1スロット当たり1Gbpsの回線接続が可能で、価格は2スロットモデル6000万円から、4スロットモデル6500万円から、8スロットモデル7000万円からとなっている。
CADのアセンブリデータなどはデータサイズが大きい。このため、グローバル協調設計では、遠隔地へのデータ伝送遅延やパケットロスによる通信品質がボトルネックの1つとなっている。
一般的なネットワーク技術では、こうした通信の遅延を回避するためにキャッシュサーバを利用することがあるが、設計途中のデータの場合はデータ更新頻度が高いため、キャッシュによる負荷低減の効果があまり期待できない。
こうした問題を回避するにはデータ伝送そのものの高速化を図るか、データそのものを変換して軽量化する、あるいは仮想デスクトップ環境を採用し、画面データのみを通信させるなどの方法が考えられる。
今回日立が販売する日立WANアクセラレータ GX1000は、パケットロスの状況や速度などを測定、別途推定した回線空き帯域を最大限に利用した伝送を行う仕組みを持つ。1TCPセッション当たり最大100Mbpsまでの帯域に対応する。アルゴリズムは日立が独自に開発したもの。これにより、伝送距離に比例して発生する遅延とパフォーマンス低下を抑えた通信を実現するという。
既存の各拠点やデータセンター内側の構成を変更する必要はなく、各拠点間に対向で設置する。
同製品の基礎技術は、2009年6月からホンダ、日立中央研究所、日立ハイテクノロジーズ(日立ハイテク)の3社共同で研究開発を進めてきたもの。成果の一部は総務省の委託研究「最先端のグリーンクラウド基盤構築に向けた研究開発(高信頼クラウドサービス制御基盤技術)」で採択されたものが含まれている。
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