私物端末をサーバに接続させる前にチェック
「BYODは危険」を払拭するWindows Server 2008の6大機能
私物端末の業務利用(BYOD)を進める際に忘れてはならないのがサーバ側の対策だ。Windows Server 2008の機能をうまく使えば、BYOD導入を安全に進められる。
私物端末の持ち込みを許可する「BYOD(Bring Your Own Device)」を導入した企業は、私物端末からLANへの接続を認めることで得られるメリットを実感している。BYODの動きは完全に軌道に乗ったが、Windows Server管理者にとっては思いもよらないことが起きる場合も多い。
サーバエンジニアの仕事は従来、悪意のある攻撃やデータ喪失、不正侵入など、さまざまなサーバ関連の危険からシステム環境を保護することだった。しかし現在は、未知の端末を相手にし、それらの端末に社内リソースへのアクセスを許可しなければならない。端末が何であれ、エンドユーザーが接続するワークロードはWindows Serverにあるからだ。
現在のWindows Serverセキュリティ対策を活用する
新しい種類の端末を管理する場合でも、IT環境を保護しつつ効率よく管理する方法はある。本稿は、BYODを導入したシステム環境を管理したり保護するに当たってのヒントやベストプラクティスを幾つか紹介する。
グループポリシーとActive Directoryの使用
サーバレベルでは、適切なActive Directory(AD)のセキュリティグループを設定することが、BYOD環境を管理する上で大きな役割を果たす。エンドユーザーが利用するアプリケーションやデスクトップ、ワークロードを制御できるからだ。
グループポリシーオブジェクト(GPO)を使うと、適切なクライアントソフトウェアを端末に配布できる。端末で実行されるクライアントソフトウェアを統一できるため、非常に重要だ。適切なGPOとADセキュリティグループが、有効なBYOD管理の第一歩になる。
アクセス許可の厳密な監視
エンドユーザーが各自のデスクトップ環境にログインしたときに、フォルダのマッピングとリダイレクトが発生する場合がある。私物端末を使用している場合でも、フォルダの操作が必要になることもある。ただし、この環境は一元的に管理されているため、実際には端末にデータは存在しない。だがフォルダと共有を適切に管理することは非常に重要だ。既存のフォルダへのアクセス許可を監視したり管理することで、私物端末から中央のネットワークにアクセスしたエンドユーザーが不適切な操作をしたり、誤って共有を削除するリスクを軽減できる。
アクセス制御リストの使用
アクセス制御は、アクセス許可やユーザーの権利、オブジェクトの監査を使って、ユーザーやグループ、コンピュータからネットワークのオブジェクトへのアクセスを認証する処理だ。アクセス制御リスト(ACL)は、BYOD環境の監視と管理に即座に威力を発揮する。
Windows Server 2008では、ルートフォルダにあるファイルの読み取りや実行は、Guestユーザーを含む全てのユーザーができる。ただし、ファイルやフォルダを作成できるのは認証済みユーザーだけだ。ファイルやフォルダを作成したユーザーには、作成したファイルやフォルダに対する“変更”アクセス許可が付与される。ACLは私物端末からのアクセスのロックダウンに極めて有効なので賢く利用したい。
Windows Server 2008は前バージョンであるWindows Server 2003と比べて、ファイルシステム名前空間が大幅に変更されている。「C:\Users」のユーザーデータと「C:\Documents and Settings\名前空間」に置かれていたファイルやフォルダも移動された。この変更は、ドキュメントファイルとデータファイルの分離に役立つ。
Windows Server 2008では、「My Documents」フォルダに全てのデータファイルを保存する必要はない。開発者が、ユーザーがアクセスできるフォルダをユーザーのプロファイルフォルダ以下に独自に作成できるようになったからだ。また、全てのユーザーが共有するアプリケーションデータファイルは「Documents and Settings\All Users\Application Data」ではなく、「%systemroot%\ProgramData」という名前の隠しフォルダに保存されるようになった。これらのフォルダは、アクセス許可と制御の設定を使えば、さらに詳細に管理できる。ユーザープロファイルが誤って削除されたり、不要な変更がなされたりしないよう保護できる。
アップデートと管理
仮想化環境では、パッチが適用された最新の状態にサーバを保つことが常に重要だ。そのためには、「Windows Server Update Services(WSUS)」やサードパーティーのソフトウェア、プロビジョニングサービス、ゴールデンイメージなどさまざまな手段がある。Windows Serverをセキュアに保つことで、セキュリティホールとなり得る私物端末インスタンスが生まれないようにする。ユーザーが私物端末を使用していたとしても、Windows Serverに集約されているデータセットにアクセスすることに変わりはない。サーバは常に最新の状態に保ち、バックアップしておこう。
イメージによる制御
Windows Serverを仮想化して、マスターとなるゴールデンイメージのスナップショットを作成するケースは多い。これも有効な管理手法だ。このイメージから作成したクローンに、テスト環境内で修正プログラムや更新プログラムを適用することができる。さらに、隔離サーバにこのクローンをインストールし、最新の更新プログラムに互換性の問題がないかどうかをテストできる。運用環境で修正プログラムのためにエラーや管理上の不具合が生じた場合でも、通常稼働していた最新のWindows環境にロールバックできる。
端末のアクセスと管理
アプリケーションやWebサービスで必要とされない限り、Windows Serverはファイアウォールやアクセスゲートウェイの内側に置くことが非常に重要だ。BYOD環境では場所や端末の種類、時間を問わず、ユーザーが目的のワークロードにアクセスできる。接続ポリシーを作成し、最新のクライアントソフトウェアが搭載された特定の種類の端末だけに接続を許可するようにしよう。こうした管理はセキュリティホールをふさぎ、エクスペリエンスを改善する上で有効だ。
サーバが物理か仮想かを問わず、どのユーザーがサーバに接続しているか、どのリソースが使用されているかを常に監視しよう。サーバの負荷分散が適切に行われないと、Windows Server環境のパフォーマンスが落ちる可能性がある。リソースの割り当ては、サーバサイドのBYOD管理において必ず意識しなければならない問題だ。終日、環境内のリソース使用率と特定のサーバのリソース使用率を監視する必要がある。ボトルネックを切り分けることで、素早くサーバの問題に対処し、ユーザーに影響が出るのを防げる。
世の中には2つとして同じ環境はない。どのようにBYODに対応していくかはサーバインフラによって異なる。だが事前に入念な計画を立ててWindows Server環境に修正プログラムと更新プログラムを適切に適用することで、既存のサーバツールを使いながら非常に有効なBYODを実現できるのだ。
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