富士通のGLOVIAシリーズにグローバルでの需給調整プロセスを支援するパッケージが登場。既存基幹システムを変更せずに導入できる点が特徴だ。
富士通は2012年2月22日、グローバル規模での生産・販売計画の最適化を支援する「GLOVIA ENTERPRISE」パッケージを発表した。提供開始は8月を予定している。
GLOVIA ENTERPRISEは、世界各地に点在する拠点の基幹システムの情報を本社側で統合し、迅速な計画策定につなげる。
一般に、グローバルでの基幹システム統合は、拠点ごとに構築した基幹システム同士のマスターデータ統合が必要で、実現するには膨大な工数とコストが発生することが多い。GLOVIA ENTERPRISEは、こうした大規模な投資を回避し、かつ迅速な情報収集と計画見直しを行うためのパッケージ製品。
GLOVIA ENTERPRISEは複数の製品群で構成される。リリース第一弾では、統合マスターデータとして「グローバルマスタ」、情報可視化とアラートのための「グローバルモニタリング」、月次のPSIを実現する「グローバルPSI」の3つの製品が提供される。第二弾として、生産計画などのより詳細な業務システムを提供していくとしている。
GLOVIA ENTERPRISEは、各拠点のマスターデータを、本社側グローバルマスターに変換する機能を持つ。これにより各拠点の品目マスター情報をあらためて本社側で変換・統合する。「本社側が把握すべき情報は詳細な品目コード1つ1つではなく、シリーズ単位の動向などに限られる」(富士通 民需ビジネス推進本部 本部長 安楽孝氏)ため、本社が必要な粒度で情報を集約するという。グローバルモニタリングでは、販売推移やKPIビュー、組織別の詳細データなど80種類のダッシュボードを標準で提供する。
導入は本社側1箇所のみで対応できる。本社および各拠点の既存基幹システムについても、データ連携部分以外は変更を加える必要なく適用できるとしている。
GLOVIA ENTERPRISEでは、今回発表された3製品に加え、2013年度以降に生産管理・原価管理などの業務ソリューションの提供を予定している。なお、将来的な展開としては「PLM系システムなどの周辺ソリューションとの連携も視野に入れている」(富士通 執行役員 産業ソリューションビジネスグループ長 森隆士氏)と、製造業向けのソリューション群全体を巻き込んだシステム連携についても示唆している。
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