クラウド事業者がサービスを中止する5つのケースクラウドガバナンス現在進行形【第6回】

契約しているクラウド事業者が、犯罪行為や経営状況などの事情で利用者にサービス提供できなくなった場合について考える。

2012年02月24日 09時00分 公開
[川田大輔]

 今回で2011年版の経済産業省企業IT動向調査を引用するのは最後になるので張り切って引用してみたい。同調査によると、企業利用者の30%がサービス提供中止の可能性を懸念し、21%がデータ破損・消失に不安、20%がトラブル発生時の問題判別に困難を、そして16%が補償内容に不安を感じている。実際に起こったサービス提供中止事例を挙げながら、いざその時が来ても慌てずに済むための方策を考える。

クラウド事業者がサービス提供を中止する5つの理由

 さて、今回は契約しているクラウド事業者が、何らかの事情で利用者にサービス提供できなくなった場合について考える。ここで想定しなければならない事態は大きく分けて5つに分類できる。

  1. クラウド事業者またはその事業所(DC)所在国の政治状況や法令変更などが原因の場合
  2. クラウド事業者の事業者(DC)所在地での天災発生の場合
  3. クラウド事業者の経営状況が原因の場合
  4. クラウド事業者の技術が原因の場合
  5. 犯罪行為が原因の場合

 1はカントリーリスクの問題、2はディザスタリカバリの話なので、これらの問題については別途論じることとし、残る3〜5の問題を本稿で扱うこととしたい。

ITmedia マーケティング新着記事

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...

news115.jpg

「TikTok禁止法案」に米大統領が署名 気になるこれからにまつわる5つの疑問
米連邦上院が、安全保障上の理由からTikTokの米国事業の売却を要求する法案を可決し、バ...

news077.jpg

「気候危機」に対する理解 日本は米国の3分の1
SDGsプロジェクトはTBWA HAKUHODOのマーケティング戦略組織である65dB TOKYOと共同で、「...