仮想環境の構成および変更管理ツールを比較する【後編】
監査要件を満たすのは? 仮想環境に適した3つの構成および変更管理ツール
仮想環境に適した構成および変更管理ツールを紹介する。構成に関するリポートなど特定機能に特化した製品から、パフォーマンスやキャパシティー関連の情報も得られる製品まで、代表的な製品を3つ挙げる。
前編「大規模な仮想環境に欠かせない構成および変更管理ツールの役割」では、障害対応やコンプライアンスで役立つ、構成および変更管理ツールの重要性について述べた。後編ではサードパーティーの構成および変更管理ツールの例を挙げる。
EmboticsのV-Commander
仮想マシン(VM)にインストールするWindowsアプリケーション。インストールすると、VMware vCenter Server(以下、vCenter Server)にリアルタイムで接続して動作する。
V-Commanderをインストールすると、vCenter Serverのイベントが発生した際にV-Commanderにアラートが送られるようになる。また、vCenter Serverから過去のパフォーマンスデータも取得できる。インストール後、徐々に情報の提供が始まり、30~60分で十二分な情報が提供される状態になる。V-Commanderは、変更および構成管理関連の情報だけでなく、パフォーマンスやキャパシティー関連の情報も併せて提供する。
さらに、V-Commanderには仮想インフラストラクチャのセルフサービスポータルとワークフローエンジン機能もある(図1)。このようにV-Commanderは多機能なハイブリッドツールであるが、リポートやキャパシティー管理など、特定の機能のみを実行するツールと比べると、かなり値が張る。V-Commanderは、vCenter Server用プラグインも用意している。
Reflex SystemsのVirtualization Management Center
Virtualization Management Center(VMC)は、vProfile Configuration Management(図2)、vWatch Monitoring、vTrust Securityの3製品から成るスイート。各製品は個別に購入することもできる。3製品のインストールに使われるアプリケーションは同じだが、ライセンスは別になる。他の仮想管理アプリケーションと同様に、VMCは仮想インフラストラクチャ内のVM上で運用できる。
米Reflex Systemsが対象にしている課題は、仮想インフラストラクチャのセキュリティとコンプライアンスだ。vProfile Configuration Managementは、ホスト、VMおよびvCenter Serverの構成の監査を行う。その上で、必要に応じてvProfileを使ってこれらのオブジェクトを構成し直すことができる。
一方、vWatch Monitoringが対象とする課題は、ホストとVMのパフォーマンスと変更管理だ。vWatch Monitoringはパフォーマンス分析ツールだが、変更の監視およびコンプライアンスや監査要件の順守機能も強力だ。
仮想化管理ツールは一様に比較することはできない。通常、対象範囲は仮想インフラストラクチャ全体になるが、(ホストやVMの)構成を基本とするものもあれば、変更管理を基本とするものもある。また、監査ツールの中には、インフラストラクチャの変更履歴の管理を主とする読み取り専用のリポートエンジンもあれば、仮想インフラストラクチャをユーザーに代わって実際に変更するものもある。
仮想化のセキュリティとコンプライアンスに関する記事
Veeam SoftwareのVeeam Reporter
Veeam Reporterには無償版と有償版がある。有償版は、Veeam Business ViewとVeeam Monitorと併せて、製品スイートのVeeam Oneのコンポーネントでもある。Veeam ReporterはWindowsアプリケーションで、(既存のMicrosoft SQL Serverインスタンスを指定しない限り)独自のローカルSQLデータベースと共にインストールされる。
Veeam Reporterをインストールし、vCenter Serverに接続すると、設定された間隔で、インフラストラクチャについてのデータが収集される。このデータを基に、VMware ESXホストやVMのインベントリおよび構成に関するリポートを実行できる。仮想インフラストラクチャの構成図はVisio形式でエクスポートでき、リポートはMicrosoft Excel形式でエクスポートできる。
有償版には、キャパシティープランニング関連の追加の事前定義リポートがある他、Windows PowerShellとの連係やリポートの自動配布機能もある(図3)。Veeam Reporterは、独自のリポートを作成して配布するためのフレームワークも用意している。
パフォーマンスツールやバックアップツール、リカバリツールと異なり、変更および構成管理ツール間で比較をすることは難しい。Veeam Reporterのようなツールは特定の機能に特化されていて、価格もそれに応じた設定になっている。
一方、V-CommanderやReflex VMCなどのツールはかなり値が張るが、その分、仮想インフラストラクチャ向けの機能も充実している。トップクラスのベンダーは、無償版を提供するだけでなく、(仮想アプライアンスであっても)素早くインストールでき、仮想インフラストラクチャにリアルタイムで接続できるツールも提供している。また、構成および変更管理ツールの中には、リポートを生成するだけでなく、VMやホストにコンプライアンス要件を適用するものもある。
読者は、大規模で拡張中のインフラストラクチャでない限り、構成および変更管理ツールの購入はできるだけ先延ばしにしたい思いにかられるかもしれない。パフォーマンスツールやバックアップ/リカバリツールに予算を使うか、まずは無償版のVeeam ReporterやVeeam Monitorを導入しようとするかもしれない。しかし、エンタープライズクラスの仮想インフラストラクチャで、特にさまざまな規制に従う必要がある場合は、監査リポートをすぐに生成でき、コンプライアンス要件を強制することもできるReflex Systemsなどのツールを採用することが極めて重要だ。
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仮想環境の構成および変更管理ツールを比較する
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