コーポレートガバナンスを考える連載の第2回は元会長に対する巨額の貸付金問題で揺れている大王製紙と、その創業家について考える。強い指導力と影響力を持つオーナー経営者、創業家の下で適切なコーポ―レートガバナンス体制を構築するには何を考えればいいのだろうか。
前回はオリンパスにおける第三者委員会報告書から、会社の機関設計と設計された組織に求められる機能の有効性を中心に検討した(参考記事:調査報告書で読み解くオリンパス失敗の本質)。今回は大王製紙における調査報告書から、グループ管理にも視点を当てて検討をしたい。また、大王製紙は非常にオーナーの影響が大きい会社であることが明らかになっているため、影響力のあるオーナー会社におけるコーポレートガバナンスの在り方についても併せて検討したい。
大王製紙は、2011年10月27日に大王製紙元会長への貸付金問題に関する特別調査委員会によって「調査報告書」が公表されている(リンク)。大王製紙は上場企業であるが、非常にオーナー色の強い会社であり、その点でコーポレートガバナンスにおける独特な状況が存在すると考えられる。実際に調査報告書を参考にして、まずは大王製紙におけるコーポレートガバナンスの状況を明らかにしていきたい。
大王製紙では「創業家」と呼ばれる、創業者から続くオーナー一族の影響力が非常に大きく、グループ全体の経営権を実質的に支配している状況にある。そのため創業家からの指示は絶対的であり、その指示に対してその他の構成員が疑うこともない状況にあったといわれている。
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