中堅・中小企業のパブリッククラウド普及のヒント市場調査で見えてきたクラウド導入の壁

中堅・中小企業はクラウドの導入に前向きだが、その選択肢の多さと移行の複雑さが大きな障害になっている。

2013年05月10日 08時00分 公開
[Andrew Buss,Computer Weekly]

注:本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 2013年4月17日号」(PDF:無償ダウンロード提供中)に掲載されている記事の抄訳版です。

 英ITリサーチ会社のFreeform Dynamicsは、現在そして今後のプライベート/パブリッククラウドサービスが担う役割についての調査を実施した。それによると、ほとんどの企業はITの社内運用を強く支持している。一方で、プライベートクラウドに移行してアーキテクチャとオペレーションを最適化し、より動的で組織的、自動化されたITを構築することも望んでいる。

 調査対象企業は、パブリッククラウドサービスを必要に応じて利用する手札の1つと見なしているが、既存の環境のワークロードをまとめてクラウドに移行する気はない。しかし、ITサービスの多くをパブリッククラウドやサードパーティーのホスティングサービスに移行することを厭わず、実際にそれを実行できる企業も多く存在していることが調査結果から分かる。

中堅・中小企業にとってのパブリッククラウド

 中堅・中小企業(SME:Small and Medium-sized Enterprise)は、トップダウンで素早い意思決定が可能なため、大々的なパブリッククラウドの採用に最も前向きだ。パブリッククラウドサービスに対してSMEの食指が動く気配があるのは、プロバイダーにとってうれしいサインだ。しかし、最初の反応は良くても、実際にSMEがパブリッククラウドを導入するのは長い道のりになるか、絵に描いた餅に終わるというのが大方の意見だ。

 以前の調査と現行の調査から、パブリッククラウドサービスを中堅・中小企業にとって魅力的で導入しやすいものにし、普及を促進するための対策として具体的に何をすべきかは判明している。余談だが、Freeform Dynamicsでは、内々に、社内のリソース、サーバストレージ、アプリケーションなどを使わずにITサービスを提供することを「インフラストラクチャなしのオフィス」と呼んでいる。

「豊かさが招く不幸」でサービス選定が困難に

 現在、企業は事務管理、生産性、コラボレーション用のアプリケーションを多数購入するのが普通だ。これらのアプリケーションは従来、さまざまなソフトウェアメーカーからライセンスを購入してきた。

 パブリッククラウドサービス市場も基本的にその路線を踏襲し、各種サービスが複数のプロバイダーから提供されている。

 その結果、「豊かさが招く不幸」(訳注)が発生している。つまり、市場にあるサービスが多すぎて、意思決定者が途方に暮れてしまうのだ。目的の仕事に有効なサービスを見極めることが困難になり、先に進めなくなるのも無理からぬ状況になる。

訳注:「the tyranny of choice syndrom」は、2004年に発表された論文「豊かさが招く不幸」にちなんだ表現。原題「The Tyranny of Choice」(『SCIENTIFIC AMERICAN April 2004』)

続きはComputer Weekly日本語版 2013年4月17日号にて

Computer Weekly日本語版は、無料のPDFコンテンツです。4月17日号では、本記事の全訳版の他、英国の4G周波数帯競売をめぐる洞察、ビッグデータをセキュリティ対策に応用する取り組み、ユーザーの行動を分析してサービスに生かすゲームサイトの事例、大プロジェクトを率いるリーダーのインタビューなど、他では読めない記事で構成されています。

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