NASCAR放送映像など18万時間分を保存
モータースポーツ中継を支えるITインフラの底力
米最大のモータースポーツ団体であるNASCARのプロダクト部門は、カーレース映像の保管や専門チャンネルの生中継などで保有データ量が毎年1ペタバイトずつ増加。より拡張性の高いITインフラへの刷新を図った。
米NASCAR Productionsは最近、過去の放送映像と放送関連データセットなど18万時間分の高解像度ビデオ映像を保存するテープライブラリとして、米Spectra Logicの「Spectra T-Finity」を選定した。
NASCARは、これまで使ってきたSpectra T950をT-Finityに置き換える。Spectra Logicによると、これらのテープライブラリのTranScale機能を使ってデータ移行を実行済みだという。NASCARのオペレーションおよびテクニカルプロダクション担当副社長、スティーブ・スタム氏は「データ移行は数時間で済み、シャーシの変更で完了した」と語った。
Spectra Logicは、同社のテープライブラリのユーザーはTranScaleによって、現在使っているコンポーネントをキャパシティーやスループットの向上ニーズに対応できる新しいシャーシに移せると説明する。元のライブラリからシリアル番号や資産タグなどの詳細情報も引き継げるという。
「他の数社のベンダーも調べてみたが、サービス品質の面でSpectraに匹敵するところは見当たらなかった」と、スタム氏は米TechTargetの取材に対して語った。
スタム氏によると、NASCAR ProductionsはNASCAR(全米自動車競争協会)の1部門で、NASCARが統括するストックカーレースの映像の記録と保管を行っている。また、米国ノースカロライナ州シャーロットでフルサービスのプロダクション施設を運営しており、モータースポーツ専門チャンネルのSPEED Channel向けにSprint Cup Series全レースと、Camping World Truck Series 23レースの生中継番組を制作している。さらに、NASCAR.comの管理も手掛けており、日々のコンテンツ更新、週末のイベントのライブ・コンテンツ発信、チームとスポンサーの毎週の活動およびWeb展開のハイライトの作成、掲載を行っている(関連記事:ストリーミング配信の鍵を握るNAS JストリームがIsilonを選択した理由)。
NASCAR Productionsは2008年にT950を購入し、5万時間分の映像をアーカイビングできるように構成した。しかし、その後の5年間で放送データは約18万時間分に増加。スタム氏によると、NASCAR Productionsは現在、約6P(ペタ)バイトの(1Pバイト=1024Tバイト)データを持っており、今後も毎年1Pバイトずつデータ量が増えると予想している。
「われわれは、この秋にライブラリ全体を磁気テープの標準規格『LTO-6(Linear Tape-Open)』に移行する計画を進めている。これにより、データ量の増加に短期的に対応できるだけの空き容量ができ、必要に応じてかなり簡単に、使用容量を増やせるようになるだろう。次の大規模な拡張は、DR(ディザスタリカバリ)対策として、オフサイトロケーションにロボットを追加し、現在使用中のライブラリを完全にレプリケートできるようにすることだ」(スタム氏)
LTOテープ市場は今も10億ドル規模に上る。コンサルティング会社の米Santa Clara Consultingは、2011年のテープ市場が13億3000万ドル規模だったと報告している。市場規模は2007年の約22億8000万ドルから縮小しているが、2012年第4四半期には、LTOテープの販売が微増になったという。
非上場会社のSpectra Logicは、2013年度上半期は「売上高、利益とも好調だった」と報告している。同上半期に設置された同社のテープライブラリストレージの総容量は550Pバイトに達したとされる。
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