信頼性が高いといわれるクラウドサービスであっても、障害は常に想定していなければならない。クラウド上で可用性の高いアプリケーションを開発するために気を付けるべきヒントを紹介する。
クラウドはITの信頼性を高める方法とされている。だが、ちまたには、その逆を証明するような、クラウドプロバイダーの障害をめぐるエピソードがあふれている。われわれも今では、「クラウドがバックアップリソースになり得ること」だけでなく、「クラウド自体にもバックアップが必要かもしれないこと」を理解している。アプリケーションを設計する際には、この明らかな矛盾を踏まえて作業を進める必要がある。設計者がクラウドの可用性リスクに対処する方法としては、アプリケーションの効果的なコンポーネント化、選択的冗長性、クラウドバースティング、高信頼性トランザクション処理などがある。
ITインフラはどんなものであれ、予測可能なある程度の割合で障害が発生するものだ。クラウドインフラも例外ではない。企業にハイブリッドアプリケーションが増加し、社内のデータセンターリソースのバックアップをクラウドに依存する度合いが高まる中、企業が構築するシステムも複雑化し、システム全体の信頼性がデータセンターの信頼性を下回るケースも増えている。「アプリケーションが動作するには、そのアプリケーションの2つのコンポーネントのどちらも必要」という場合、その可用性は個々のコンポーネントの可用性よりも低くなる。だからこそ、障害に強いクラウドアプリケーションを開発するためには、まずコンポーネントの構造とアプリケーションワークフローを慎重に設計する必要がある。
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