iOS、Android、HTML5クライアントやLinuxのサポートなど、非Windowsプラットフォーム向けアプリ開発者に目を向ける米Microsoft。同社のデベロッパー製品戦略の真意とは?
Microsoftも変化の途上にある。2014年2月初め、サトヤ・ナデラ氏を新しいCEOに指名し、MicrosoftはWindowsテクノロジーばかりに集中しているという批判を積極的に払拭しようとしている。
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Microsoftは、モバイルアプリに必要なバックエンドシステムのホストとしてWindows Azureを運用しているが、このAzureを開発者が簡単に利用できるようしようと努めている。Hadoopの実行やLinuxのサポートがその例だ。
また、同社は戦略を変え、ターゲットをプロの開発者からコーダーの広範なコミュニティーへ切り替えようとしている。Microsoftツールの必要性を感じていないコーダーや、複数のプラットフォームに対応するアプリを開発するコーダーなどが新たなターゲットになる。
同社のアプリケーションとプラットフォーム部門を指揮するプラットフォーム戦略部長ティム・オブライエン氏によると、「クライアント/サーバの時代、プロの開発者といえば、.NETやJavaのプログラムを書き、多くは大学でコンピュータサイエンスの学位を取得してコーディングで生計を立てようとする人たちだった」。
しかし、現状は異なる。「30歳以下の人たちはソフトウェアがなかった時代を知らない。身近にあるものほぼ全てにマイクロプロセッサが搭載され、プログラミング可能だ」
技術の進歩と人口の推移が開発者数の増加を後押ししている、と同氏は話す。「コンピュータの仕組みの基本を理解していれば誰でもコードを書けるのか、という意見もあるが、簡単に利用できる無料のツール、ランタイム、フレームワークもある」
「プログラミングから人々を遠ざけていたやっかいな障壁はなくなった」と同氏は語る。コーディングを職業とする人だけでなく、さまざまな動機でコーディングする人が増え、空いた時間にテンプレートやビジュアル開発ツールを使って多くのアプリを開発しているという。
クライアント/サーバコンピューティング時代、Microsoftの戦略の中心はプロの開発者だった。だが、多岐にわたるプログラミング言語、フレームワーク、ツールを組み合わせて使用する多様な開発者への対応を迫られているのが現状だ。コーディングといえばWindowsと2〜3種類のUNIXプラットフォームが対象になるという考えは事実上終わりを迎えた。スマートフォンの時代になり、ソフトウェアを取り巻く状況は変化している。「これまで、開発者はソフトウェアのサプライヤーと重ね合わせて自分を見ていたが、そのような一体感はなくなった。かつての開発者は『私はOracle DBAだ』と名乗っていたものだったが、現在の開発者は仕事に合わせて最適なツールを探すようになった」
この変化に合わせるために、Microsoftもデベロッパー製品の戦略見直しを迫られている。「PowerPointで一日中プレゼンテーションしても何も変わらない。それよりも何を提供するかだ」とオブライエン氏は話す。
同氏が率いるMicrosoftの開発者チームは、Microsoft以外のテクノロジーとエコシステムへの継続的な投資に目を向けるようになった。
Microsoftは、米IBMと米Appleと共同でW3C HTML5ワーキンググループの共同議長を務めている。Internet ExplorerへのHTML5機能の実装も続けており、最近はJavaScriptの3D描画拡張機能であるWebGLのサポートも発表した。
「Microsoftは、開発者の立場に合わせて使用できる幅広い製品を提供することを目指している。Windows PhoneのHTML5対応もこうした戦略の一環で、開発者が現在の自分のスキルを使ってWindows向けのネイティブアプリを作成できるようにする」
HTML5の他にも、Azureを拡張してPython、サーバサイドJavaScript、PHPをサポートし、さらに米Oracleと提携してWebLogicもサポートする。Azureでは、Ubuntu、CentOS、SUSE Linux、OpenSUSE、Oracle Linuxもサポートしている。
しかし、同氏によれば以下の通り、Microsoftのオープンソースに対する実績はこれらをはるかに上回るものだという。
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