無線LANとモバイルデバイスという2つの要素がからむことで、管理タスクは複雑化している。これらをそれぞれ異なるアプローチで管理する2つのツールを紹介する。
現代はモバイルの時代だ。スマートフォンやタブレットがネットワークの中心となり、有線接続からワイヤレス接続への移行が進み、ネットワークの設計や管理の手法も変化している。ユーザーが個人所有のデバイスを業務に利用しようとすると問題はさらに複雑化する。いかにしてバランスを取り、ますます複雑化する管理タスクを簡略化すればよいだろうか?
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モバイルデバイスとそのネットワークはさまざまなツールを組み合わせて管理されており、各ツールに独自のUIと固有の機能がある。米Microsoftの「System Center Configuration Manager」やクラウドサービスの「Windows Intune」などのツールを使ってデバイスを管理し、「Windowsネットワークアクセス保護」を使ってネットワークリソースへのアクセスを管理しながら、ネットワーク機器に構成を送り込むために専用ツールを使うこともある。これでは多くツールやテクノロジーが複雑に絡み合うことになり、さまざまなスキルが必要となる。
最新のワイヤレスアクセスポイントは強力なデバイスであり、スマートフォン、タブレット、ノートPCへの高速接続を同時にサポートする。これは、低帯域幅のドキュメントアクセスから、4Kスクリーンを搭載したデバイス向けの高解像度(HD)ビデオストリームまで、幅広い帯域幅を要件とするさまざまなアプリをサポートすることも意味している。これにより、BYOD(私物端末の業務利用)やゲストアクセスのサポートを導入しなくても、ワイヤレス環境が複雑化することになる。
米Aerohiveのクラウドホスト型の「Mobility Suite」は、この複雑性の増加に対応し、1つアプリにさまざまなツールを詰め込んでいる。まず、BYODハードウェアや信頼性の低いゲストデバイスを企業所有のデバイスと区別するクライアント管理ツールがある。管理者は1つのツールでポリシーの構成やネットワーク使用状況の監視を行うことができ、従業員はデバイスを登録してワイヤレスアクセスを管理するセルフサービスポータルを利用できる。
ゲストデバイスは、さまざまな種類のゲストユーザーのユーザー認証を処理し、SMSを通じてログイン証明書を提供するID管理ツールを使って管理する。ゲストデバイスの登録にキオスクやWebポータルを利用するオプションもある。既存のモバイルデバイス管理製品を使っている場合は、Mobility Suiteがデバイスエージェントとソフトウェアを送り込む。
だが、問題もある。このツールは単一ソースのWi-Fiアクセスポイントのみを使用する必要がある。Aerohiveのソリューションは、HiveOSアクセスポイントツールを使ってクラウドからのアクセスとデバイスを管理する。
サプライヤーの標準化を進める大企業にとっては問題にならないだろうが、Wi-Fiハードウェアが混在している中小企業にとっては問題となり得る。事業に最適なアクセスポイントを用意することが購入プロセスの重要な部分を占めている。これは、各社が自社の要件に合ったテクノロジーを利用していることを保証する必要があるためだ。
Aerohiveのマシュー・ガスト氏は、最新のアクセスポイントの特徴を幾つか説明する。無線のフロントエンドとアンテナの設計は、良好なネットワークを提供するために管理ツールと同じくらい重要だからだ。
「インフラのサプライヤーの設計に全てが懸かっている」、と同氏は言う。「その一部はアンテナだが、その多くは増幅器なので、クリーン信号を提供できる」
Aerohiveと同様、米Xirrusは企業向けWi-Fiソリューションで最もよく知られている。何よりもまずハードウェアのサプライヤーであり、ハードウェア機能を活用するさまざまなネットワーク管理ツールとサービスも提供している。Aerohiveのクラウド管理ツールがデバイスとネットワーク管理を統合するのに対し、Xirrusの「Mobilize」はデバイス用のネットワーク管理ツールに近く、アクセスポイントにプロファイルを提供してネットワークの設計をサポートする。
ワイヤレスネットワークを適切に設計することは、802.11a/b/g/nから802.11acへの移行で重要になる。ビームフォーミングが改善され、新しい無線技術はより少ないアクセスポイントで同じ利用範囲をカバーできる。だが、これによりネットワークにキャパシティーの問題が生じないというわけではない。Xirrusの「Application Control」ツールはこの管理に役立つように設計されている。
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