Oracleによる告訴リスクで加速する「企業のOracle離れ」忌避される複雑なライセンス体系

Oracleがサポートサービス業者Rimini Streetを知的財産の侵害で告訴した事例は、さまざまな法的リスクの存在を示している。ライセンスの複雑さを嫌う企業は、Oracleら大手プロバイダーの利用を見直し始めている。

2014年10月09日 08時00分 公開
[Cliff SaranComputer Weekly]

 サポートプロバイダーの米Rimini Street(以下、Rimini)に対して下された判決は、サプライヤー側がソフトウェア契約の履行に疑いを持った場合はそれを追求する可能性があること、さらには今後追及が行われるであろうことを示唆している。

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 ソフトウェアを販売するのは難しい。業界の推定によれば、ソフトウェア企業は1ドルのライセンス収入を得るのに70セントを費やすという。つまり、製品の販売を始めたら、ソフトウェアプロバイダーはそれまでに費やしたコストを取り戻す必要がある。その結果として、年に一度のメンテナンスに、本来の年間ライセンス料の約25%という異常な高価格が提示されることになる。

 特にソフトウェアの更新時期などは、利用者に敵対するかのような販売戦術を取ることがある。強引なセールスマンが監査という切り札を持ち出し、購入担当者の身動きを取れなくすることも珍しくない。

 「もっとライセンスを購入しませんか」とセールスマン。「業務に必要なライセンス数が足りないことが監査で明らかになるかもしれないし、用心するに越したことはありませんよ」

 このように言われれば、IT購入担当者はライセンス使用権に関して会社の立場を守らなければと考えてしまう。

サードパーティーの契約

 米OracleがRiminiを告訴したのは、ソフトウェアプロバイダーとして自社の知的財産権(IP)を守るためだ。だが、今回の訴訟には著作権侵害よりも重要な問題がある。

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