ロンドン交響楽団のCIOが指揮するクラシックとITのハーモニーCIOとして成功するための重要なスキルとは?

独立系クラシックレーベルとしては初めてiTunesで楽曲を配信したロンドン交響楽団。Googleと提携してYouTubeシンフォニーオーケストラを立ち上げるなど、活発なIT活用を展開している。

2014年10月30日 08時00分 公開
[Karl Flinder,Computer Weekly]
Computer Weekly

 ジェレミー・ガーサイド氏は当初、ハレ管弦楽団とウェールズ国立オペラ(WNO)で、オーケストラのマネジャーや総務、スケジュール管理、会計管理を担当するスタッフとして働いていた。WNOで勤務していた時期に同氏は、手計算の労力を節約して財務プランニングの手法を改善することを目指し、技術畑に転向した。

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 その後ガーサイド氏はBBCウェールズ・ナショナル管弦楽団に移ってビジネスマネジャーを務め、テクノロジーと情報管理システムの融合やテレビ、ラジオ、オンライン配信などの放送用コンテンツ製作のプロセスに10年間取り組んだ。

 2000年にフリーランスとなり、デジタルな手法によるプロジェクト管理やWebサイトの作成に携わったが、その間にガーサイド氏はTCP/IP、Wi-Fi、ストリーミング、Web、音声と映像の制作を学び、その経験を通して編集のスキルも身に付けた。こうして2004年に同氏はロンドン交響楽団(LSO)の技術責任者となった。

 LSOは世界的にも有名なオーケストラであり、世界各地でコンサートツアーを開催している。高名なオーケストラなので、100人を超える楽団員が楽器と共に世界中を飛び回るための手配作業が日常的に発生する。だが、その作業を担当するオーケストラ専任のITスタッフはたった2人しかいない。その1人がガーサイド氏だ。

 「ITシステムのサポートは、われわれ2人のチームで担当している。システムの中核となるのはHyper-Vで、この環境にMicrosoft Exchangeとファイルサービスを構築した。さらに、財務、募金、その他専門的な用途のソフトウェアも搭載している」とガーサイド氏は説明する。

 どの組織でも、テクノロジーに関してはそれぞれ独自のニーズがある。その部分に対するアドバイスとサポートをするのが、ITチームの仕事だ。LSOは、(演奏者に加えて)レコードレーベルのLSO Live、(ロンドン市内の)オールドストリートにある活動拠点の聖ルカセンター(St Luke's)、音楽教育と広報を担当するLSO Discoveryチーム、そしてマーケティングチームを擁する組織である。

重要な移行作業

 前述した通り、2人のITスタッフでシステムの実装とサポート作業のほとんどを担当する。ただ時折、重要な移行やシステムの変更作業については外部コンサルタントのサポートを受けることもあると、ガーサイド氏は話す。

 ITチームの最大の課題は、英国外の公演開催に必要な手配だ。LSOは20カ国で年間40回超の海外公演を開催しているが、ITチームはそのマネジメントを担当するチームをサポートしている。

 このサポート業務のために、LSOはモバイルサービスプロバイダーの英Truphoneとモバイル通信のサービス契約を最近締結した。これにより、LSOのスタッフは世界中どこにいても、一定のコストで安定した品質のモバイル通信を利用できるようになった。オーケストラの日常的な運営業務に加えて、100人を超える楽団員が楽器と共に世界各地に移動してコンサートを開催するために、移動手段や宿泊などの手配をこなすためには、モバイル通信は非常に重要だ。

録画や録音の高画質・高音質化

 一方、データ配信や放送で使用するLSOの音源が高品質になるにつれて、データの増大もガーサイド氏にとっての大きな課題の1つとなっている。

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