データオーナーシップという難問
「そのデータは誰のもの?」――“炎上”を回避するための8つのチェック項目
SNSやモバイル、アナリティクス、クラウドといった近年のトレンドに伴い、データオーナーシップの問題を見直す必要が出てきた。企業の最高情報責任者(CIO)がチェックすべき8つのポイントを紹介する。
先ごろ米TechTargetに掲載されたコラムの中で、執筆者のハービー・ケッペル氏は、データオーナーシップに伴う倫理的、文化的および法的な問題点を整理した。
SNS、モバイル、アナリティクスおよびクラウドコンピューティング用のツール(いわゆる「SMAC技術」)によって可能となったほぼ瞬時のデータ拡散と深いレベルでのデータマイニング(抽出)は、ほんの5年前にはほとんどの企業が予想もしなかったような状況を生み出した。
8つのチェックポイント
コラムの中でケッペル氏が「デジタルビジネスではデータおよびデータオーナーシップがCIOにとって最重要の課題になる」と述べているように、企業および企業のCIOにとって、これらの技術によって生まれ拡散されるデータは誰が所有するのかという問題を見直すときが来た。例えば「ユーザーの手首に装着されたデバイスから送信されるデータは、そのデータを生み出した個人の所有物なのか」、あるいは「このデータは電波を通じて送られるのだから、実際にはあらゆる人の財産なのではないか」といった問題がある。デジタル時代におけるデータオーナーシップをめぐる難問は、企業のデジタル化が進むのにつれて複雑化する一方だろう。
デジタルエンタープライズの企業価値を高めるデータガバナンスに関するチェックポイントは以下の8つだ。
- 1. データマネジメントおよびデータオーナーシップのポリシーや手続き、ツールのベストプラクティスを採用する
- 2. 一元的データモデルと分散連係モデルのどちらが自社に適しているのか判断し、定期的にその判断を見直す
- 3.規制が厳しい業界(金融サービス、医療、重要なインフラなど)の場合は、データに関する現行の法規制および法規の改訂を常に把握する
- 4. 規制当局や社外監査人、調査官などと良好な関係を維持し、データオーナーシップに関する法規やポリシーを定期的に共同でチェックする
- 5. 規制当局および社外監査人と社内の監査役、リスク管理部門およびコンプライアンス部門の間で情報を共有する。社外監査人と共同でデータに関するポリシーおよび手続きの更新や修正行う
- 6. デジタルビジネスにおけるデータオーナーシップに関する業界フォーラムや会議に参加する
- 7. 顧客および従業員のデータに関する既存のポリシーと手続きが時代遅れではなく、明確に記述され、正しく理解されるようにする。
- 8. どんな顧客情報を保有しており、それをどう使うのかを顧客に知らせ、定期的に説明を行う。できるだけ顧客が選択できるようにする(個々の情報利用に対して許可/拒否できるようにするなど)
上記のチェックリストを参考にして、デジタル世界におけるデータオーナーシップ問題に対処するために企業のCIOおよびIT部門に課せられた新たな役割を確認していただきたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[アトラシアン株式会社] IT運用や従業員サポートは生成AIでどう変わる? 使い方や導入の流れは? -
製品資料
[株式会社みらい翻訳] 音声翻訳活用の課題を解決、“本当に使える”ツールの特徴とは? -
製品レビュー
[Wrike Japan 株式会社] 400店舗を支えるWalmart Canada、散在する情報やアナログな管理をどう変えた? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 年間100件超のDXプロジェクトを統合管理、JERAはどのように実現した? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] グローバルなクリエイティブ業務を合理化、エスティーローダーに学ぶ実践のコツ
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
全社標準Copilotに絶望? MS Copilotで問い合わせ6割減できた企業は何が違った
-
2
身代金支払いは逆効果 情シスのためのランサムウェア対策ガイド2026
-
3
自社を守る「SCS評価制度」活用法 7割の企業が取引先起点の情報漏えいに直面
-
4
ランサムウェア、暗号化の89%は深夜 情シスが備える「夜間の空白」対策
-
5
多要素認証導入済みでもランサムウェア被害に 復旧費用は平均2億7000万円
-
6
「技術屋」で終わるか、部長へ昇格するか 今取りたい「IT×ビジネスの認定資格」5選
-
7
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
8
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
9
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
10
AIエージェントを暴走させない設定、済んでますか? 対策5選を専門家が紹介
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
「スクラム」と「カンバン」の違いとは? アジャイル型開発手法を徹底比較
-
8
AI時代に成功するための「ナレッジマネジメント」ベストプラクティス
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー