DevOpsは、うまくやればチームによる計画、コーディング、構築、テスト、リリース、導入、運用、モニタの継続的連鎖を実現し、それを繰り返すことができる。開発環境の内実に目を向けて、その仕組みを紹介する。
DevOpsについては、既に多くのことが語られている。今や「業界標準」となったこの用語は、あらゆるITサプライヤーによって使われ(乱用だという見方もあるが)、誰もがDevOpsの一角を求めているように見える。開発と運用を組み合わせた用語であるDevOpsは、2つの原則を合体させ、相互により配慮した新しいアプローチの形成を指向している。
中核となる理念は単純でも、業界はDevOpsをめぐって過熱気味だ。結果的には消化不良を起こし、DevOpsが推進しようとするアジャイル開発手法の足を引っ張りかねないと、純粋主義者は主張するだろう。DevOpsは、うまくやればチームによる計画、コーディング、構築、テスト、リリース、導入、運用、モニタの無限好循環を形成する。
管理ソフトウェアやオーケストレーションソフトウェアを手掛ける企業は、この「DevOps」という言葉を好んで使う。だがソフトウェアオートメーションコントロールは、どれほど高度なものであっても、一部を説明しているにすぎない。ITリーダーがDevOpsの仕組みを知るためには、実際の開発環境の内実を見る必要がある。
米Microsoftは、カンファレンス&展示会「Build 2015」で「ビジネスアジリティの戦略としてのDevOps」というセッションを主催。同社の「Visual Studio Online」、ALM(Application Lifecycle Management)、DevOps担当製品マネジャー、エド・ブランケンシップ氏は、宣伝文句や業界の触れ込みの先にあるDevOpsの実際の仕組みを紹介した。
Microsoftがこうしたセッションを主催したのは今回が初めてだ。ブランケンシップ氏の説明によると、アジャイルの最初の10年(「アジャイルソフトウェア開発宣言」は2001年2月に発表された)を経て、IT部門はある程度の確信を持って、アプリケーション開発のライフサイクルと運用管理のライフサイクルは根本から異なると明言できるようになった。2015年、アジャイルが次の10年に差し掛かる中で、この2つを組み合わせるべき時、そしてDevOpsの基本が検証されるべき時が来ている。
「DevOpsの必要性は、市場の動きが速いという現実によって加速している。企業が利益を出し続けたければ、ソフトウェア開発のペースを速める必要がある」(ブランケンシップ氏)。同氏は、プレゼンテーションで米Netflix、米Amazon、米FacebookといったWebネイティブ企業が社内でDevOpsを適切に行った実例を紹介した。いずれも根底でDevOpsを機能させ、継続的デリバリの実例を示すことができているようだ。
一方、悪いDevOpsはいら立ちや遅れ、そもそもなぜまとまりが悪いのかを判断する能力の欠如を招く。結果としてチームで構築されるものには誤りが生じる。
そうした効率の悪さから生じる代償は大きい。Microsoftによれば、プロダクション問題について診断し、修復するためには平均で200分を要し、インフラの障害に伴うコストは1時間当たり平均10万ドルに達するという。
Microsoftは、同社もかつては大部分がそうした状況だったことを認めている。
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