DevOps運動は最近まで大企業には無縁と思われていた。もっと小さく動きの速い新興企業が愛するアジャイルソフトウェア開発の慣行を、大規模で複雑で動きの重い組織がまねできると願うこと自体、考えられないという否定的な見方もあった。
大きな組織は官僚主義やレガシー技術、ウオーターフォール方式のソフトウェア開発に引きずられ、DevOpsが普及しにくい。現状に挑戦しようとしても実を結ぶことはない――といった説もある。
だが、そうした否定的な見方に欠落していると思われるのは、DevOpsとは相反すると考えられている特徴の多くが、実際には大企業内部で変化を求める意欲をかき立てているという点だ。自分たちが今までずっとやってきたようなやり方では、競争上不利になるという認識は浸透しつつある。
長くて制約の多いソフトウェア開発サイクルは、もはや競争力を保つ助けにはならず、変化する顧客の需要にペースを合わせる能力も維持できないということを、大企業のITリーダーは認識している。
結果的に、既に競合企業に先を越されたソフトウェア製品、あるいは顧客の要望に合わないソフトウェア製品を打ち出すことに、ITリーダーはいら立ちを募らせる。
さらには、競合企業がアジャイルの概念を取り入れてソフトウェアの革新ペースを加速させる様子を目の当たりにし、否定的な見解とは裏腹に、DevOpsが規模の大きな組織内でも根付くことができる様子を見せつけられている。
その証拠として、DevOpsの動きに加わっている有名企業の名を列挙してみれば、従来ならアジャイルには向かないと思われたかもしれない、規制の厳しい業界に属している企業がいかに多いかが分かるだろう。
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