ユーザーの操作性に影響
Citrix vs. VMware、デスクトップ仮想化のプロファイル管理ツールを比較する
CitrixとVMwareのユーザープロファイル管理はいずれも、Windowsの基本的な移動プロファイルよりも仮想デスクトップのデータ保護やログイン/ログオフ時のレイテンシ削減に役立つ。両者の違いは?
米Citrix Systemsと米VMwareは、いずれもデスクトップ仮想化製品にユーザープロファイル管理ツールを組み込んでいる。これらのツールを使えば、Windowsの移動ユーザープロファイルを使う場合よりも仮想デスクトップの起動時間を短縮できる。
ユーザープロファイルの管理は、仮想デスクトップ環境の重要課題の1つだ。ユーザープロファイルには個々のユーザー固有のデータが格納される。企業が移動ユーザープロファイルを使用する場合、プロファイルデータはWindowsサーバ上にあり、ログインプロセスの一環としてデスクトップにコピーされる。
2つの理由から、ユーザープロファイルは仮想デスクトップ環境で悩みの種になりやすい。1つの理由は、ほとんどの仮想デスクトップが非永続的なことだ。これは、仮想デスクトップが各ユーザーセッションの終了時に初期状態にリセットされ、ユーザープロファイルデータを仮想デスクトップに直接保存できないということだ。もう1つの理由は、ユーザーが仮想デスクトップにリモートでアクセスすることが多いため、ユーザープロファイルの管理が大変なことだ。企業が採用しているリモート接続方法やユーザープロファイルの構成によっては、従業員が仮想デスクトップの起動時に自分のプロファイルデータをダウンロードしなければならないことがある。その場合、ユーザーはログオンに非常に時間がかかり、操作性が悪化する恐れがある。
多くの企業がWindowsの移動プロファイルを使用しており、それはこのプロファイルがユーザーの設定とデータを保存するシンプルで経済的な方法だからだ。しかし、この方法には欠点もある。移動プロファイルはネットワークサーバ上にあり、管理者は、ユーザーを対応するプロファイルに接続するようにActive Directory(AD)を構成できる。だが、移動ユーザープロファイルはかなり大きくなることが多く、そのせいで起動時にレイテンシが発生してしまう。起動プロセスを高速化するためにフォルダリダイレクトを使用する場合でもだ。ありがたいことに、CitrixやVMwareのような仮想デスクトップベンダーは、ユーザープロファイルを管理し、エンドユーザーと管理者の操作性を向上させるためのツールを提供している。
Citrix User Profile Management
Citrixは、「User Profile Management」によってプロファイル管理を可能にしている。このツールは同社の「Citrix XenApp」のEnterpriseおよびPlatinumエディションと、「Citrix XenDesktop」のAdvanced、Enterprise、Platinumエディションで利用できる。Citrix User Profile ManagementはWindows環境と互換性があるが、Windowsの移動プロファイルに取って代わる。
Citrix User Profile Managementでは、Windowsの移動プロファイルと同様に、ユーザープロファイルは中央に保存される。保存先はUNC共有か、またはユーザーのホームフォルダに接続されたパスのいずれかだ。ユーザーはこの場所への書き込み権限を持っていなければならない。Citrixは、従業員の既存のホームディレクトリを使用することを勧めている。必要な全ての権限がもともと確保されているからだ。User Profile Managementは、ログイン時にユーザーのCitrixプロファイルの内容を読み取る。ユーザーがログオフすると、同ツールはユーザーが行った変更や追加をプロファイルストアにアップロードし、ユーザーが次にログインしたときにそれらの変更や追加が反映されるようにする。
Citrixは、パフォーマンスの向上とプロファイルサイズの削減を目指してプロファイルを設計した。User Profile Managementでは、管理者は同期するフォルダを選択できる。これによって、重要でないフォルダが除外されるので、プロファイルサイズが縮小することになる。
また、Citrix User Profile Managementは、書き込み操作によるユーザープロファイルの差分を追跡する。ユーザーがログオフするたびにユーザープロファイル全体をプロファイルストアにアップロードすると、毎回かなりの時間がかかる恐れがある。User Profile Managementは、ファイル、フォルダ、レジストリキーに加えられた変更のみをアップロードすることが可能だ。
Citrixのアプローチのもう1つの利点は、従業員が複数の端末から作業をしているときに、データが失われる可能性が小さくなることだ。ユーザーがログオフするたびにCitrixがユーザープロファイル全体を書き換えると、同時に複数端末からログインしているユーザーは、誤って変更を上書きしてしまう恐れがある。
VMware View Persona Management
VMwareの「VMware Horizon 6(with View)」に含まれる「View Persona Management」ツールは、Windowsの移動プロファイルを代替し、ログインおよびログオフプロセスを効率化する。
VMwareのView Persona ManagementがWindowsのプロファイル管理の仕組みと異なる点は、ログオン時には必要最小限のプロファイル要素のみをダウンロードし、他のプロファイルデータは必要に応じてダウンロードすることだ。VMwareのアプローチは、仮想デスクトップのログオンプロセスを大幅に高速化するとともに、あまりにも多くのユーザーが一斉にログインした場合に発生するブートストームの影響を抑える。
VMware View Persona Managementは、ユーザーのログアウトを待たずに、変更をプロファイルストアにアップロードするという点もユニークだ。デフォルトではユーザープロファイルの変更を、10分間隔でサーバに自動的に同期するようになっている。企業はそのスケジュールをカスタマイズして同期の頻度を増減できる。このアプローチは、保存されたプロファイルを最新の状態に保つ他、ユーザーのログアウト時にアップロードする必要があるデータ量を減らすことで、ログアウトにかかる時間を短縮する。
VMwareとCitrixは、いずれも移動ユーザープロファイルの改良に精力的に取り組み成果を挙げている。そのおかげで、VDI(デスクトップ仮想化インフラ)の利用企業におけるユーザーのログインおよびログオフ時間を短縮できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIに何を聞いても「汎用的な答え」しか返ってこないのはなぜか? -
製品資料
[サイボウズ株式会社] なぜAIは組織で定着しないのか? 全社活用を阻む「3つの壁」の突破法 -
製品資料
[株式会社スタディスト] 「不適合品率」改善はどこから始める? すぐにできて効果が大きいポイントとは -
製品資料
[株式会社スタディスト] 食品ロスを利益に変える「現場標準化」のすすめ -
技術文書・技術解説
[株式会社スタディスト] チョコ停・ドカ停を防ぐ「事前対策」の進め方
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
いまIBM iエンジニアが直面する「5つの技術的課題」とその解決策
-
2
SAPの負荷増に苦しむZeissが「リアルタイム分析」「安定運用」を両立させた道
-
3
なぜ「Claude Code」拡張は消しても危ないのか? Cursorで不正版配信
-
4
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
5
8割がアナログに逆戻りする“やっぱりな理由” DXを阻む2つの落とし穴
-
6
なぜMicrosoftは「Rust」を標準言語に? AIで進むC/C++書き換えの課題
-
7
脱VMwareの真実:データセンター大手がNutanixを選んだ「コスト以上の理由」
-
8
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
9
「データのバックアップ」に関するアンケート
-
10
レノボの法人専用タブレット「Lenovo ThinkTab X11 Gen 1」がもたらす現場革新
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
2
顧客対応自動化の要点:RAGとデータ連携で“業務で使える生成AI”にする方法
-
3
侵入から横展開まで27秒の脅威にどう立ち向かう? 防御のカギがEDRの理由
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
マンガで解説:情シスの負担を減らす「MDRサービスのインシデント対応」の中身
-
6
有識者が語る、中堅中小企業に求められる最新のサイバーセキュリティ対策とは
-
7
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
8
なぜAIは組織で定着しないのか? 全社展開を阻む「3つの壁」と突破のヒント
-
9
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
-
10
パスワードレスへの移行で失敗しないためには? 導入・運用上の注意点を解説
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー