航空機メーカーの仏Airbusは、HPとのIT契約を解除し、新たな委託先を探すことを決断した。HPとの契約の何が問題だったのか? この事例からIT契約のポイントが見えてくる。
航空機メーカーの仏Airbus Operations(以下、Airbus)は米HPとの外部委託契約を打ち切った。そこには、長期にわたるIT契約に見切りをつけるというビジネス課題に対するヒントがある。
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英ロンドンで開催された「Gartner Datacentre, Infrastructure and Operations Management Summit」において、Airbusのホスティングサービス部門の責任者ピーター・レディグ氏がインタビューに答えた。レディグ氏によると、12年間続いたHPとの契約を段階的に縮小する決定が下されたのは、2012年に同氏がAirbusに入社した2週間後のことだったという。
「HPとの契約は12年に及び、更新も3回行った。この契約には独占交渉権が付随していた。それが契約上非常に難しい状況をもたらし、運用上の弱点も生み出した。契約を更新しても、作業指示書の定義を一切変えなかったことが原因だ」と同氏は語る。
その結果、説明責任の一部にグレーゾーンが生まれた。問題発生時に、HPもAirbusの社内スタッフも、誰が介入すべきかを把握していなかった。
「HPは当社の作業範囲だと主張し、当社の社員はHPが行ってきたことだと指摘する。こうした事態は非常に厄介だ」と同氏は話す。
この問題を解決するには、全てを白紙に戻してやり直す必要があると判断した。そこで、Airbusは提案依頼書(RFP)を発行した。RFPの最重要課題は、長年にわたって拡大してきたIT資産運用の複雑さを解消することだ。このとき、Airbusは1万2500台のサーバを運用していた。その全てを新しいプロバイダーに移行しなければならない。移行するデータベースの数は2900、アプリケーションの数は670にも上った。
こうしたIT資産は全て航空機の製造に必要なものだ。同社の「A320」の場合、その製造には最長9年を費やすことがあり、約1万6000社のサプライヤーから調達した250万点以上の部品を使用するという。
同社には、RFPと入札プロセスという正念場を乗り越えるため、ある秘策があった。
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