オールフラッシュとハイブリッドフラッシュ、徹底的に比べて分かったことハイブリッドフラッシュは市場から消える

クラウドベースアプリプロバイダーのClarizenは、自社導入のためにオールフラッシュとハイブリッドフラッシュを徹底検証した。コスト的なメリットすら打ち消す、ハイブリッドフラッシュの欠点とは?

2016年02月25日 08時00分 公開
[Antony AdsheadComputer Weekly]
Computer Weekly

 クラウドベースのコラボレーションツールプロバイダーである米Clarizenは、HDDベースのストレージを米Kaminarioのオールフラッシュアレイ(以下、オールフラッシュ)でリプレースした。ハイブリッドフラッシュアレイ(以下、ハイブリッドフラッシュ)の導入も検討したが、比較テストを実施した結果、オールフラッシュの圧勝だった。パフォーマンスの点で、ハイブリッドフラッシュには著しい遅延がみられたという。

Computer Weekly日本語版 2月17日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 2月17日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 Clarizenは、世界4カ所(英ロンドン、オランダのアムステルダム、米ニュージャージー州、米カリフォルニア州)にある同社データセンターでクラウドベースのコラボレーションツールを世界中の顧客に提供している。

 同社は最近、キャパシティーを拡大する必要に迫られた。また、社内システムのHDDストレージアレイ(メーカー名は非公開)で想定通りのパフォーマンスが出ないことが増えてきた。これらが市場調査を始めた理由だと、同社でマネージドサービス担当のバイスプレジデントを務めるマイア・ウジエル氏は説明する。

 「ストレージを増設する必要があったが、当時利用していたストレージのプロバイダーは、パートナーとしてあまり親身になってくれなかった。われわれに接する態度は積極的とはほど遠く全くの受け身で、ライセンス契約更新の書類を年1回送ってくるだけだった」

 ウジエル氏はさらに続けて次のように語る。「HDDベースのストレージには、パフォーマンスの問題があった。IOPS(1秒当たりのI/O数)の制限のために至る所でボトルネックが発生し、それがデータベース、バックグラウンド処理、バックアップ処理に影響していた。いよいよフラッシュストレージを試すべき時が来たと思った」

 ClarizenはHDD、オールフラッシュ、ハイブリッドフラッシュの3種類の製品を調査した。各製品で本番環境のデータを使い、2カ月余りをかけて概念実証(PoC)を行った。

 その結果ウジエル氏のチームは、オールフラッシュのパフォーマンスが他の2種の製品をはるかにしのぐことを確認し、Kaminarioのオールフラッシュ「K2」を同社のデータセンターに導入した。

 Kaminario K2の仕様は次の通り。サイズは4~26Uで、キャパシティーは7TB~1.44PB、IOPS値は数百万。フラッシュドライブは400GBまたは800GBのMLC(Multi Level Cell)タイプだが、TLCタイプのドライブも開発ロードマップに含まれている。

 Kaminario K2の場合、コモディティのハードウェアと独自のOS、SPEAR(Scale out Performance and Resilient Architecture)を使ってオールフラッシュを構築する。Kaminarioによると、書き込みを分散させることと、書き込みバッファを設けることでホットスポット(負荷が集中する部分)の発生を回避しているという。また、フラッシュの利用期間は7年を想定している。

 Kaminarioのアレイでは、ブロックアクセス(ファイバーチャネルおよびiSCSI)、シンプロビジョニング、インラインデータの重複排除と圧縮をサポートしている。一方、将来実装予定の機能として、スケールアップも挙げられている。これは、演算装置を追加することなくストレージの媒体を増設するもの。また、増設後でも数百万のIOPS値を維持することができる。

 ウジエル氏の見解は次の通りだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

鬮ォ�エ�ス�ス�ス�ス�ス�ー鬯ィ�セ�ス�ケ�ス縺、ツ€鬩幢ス「隴取得�ス�ク陷エ�・�ス�。鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�、鬩幢ス「隴主�讓滂ソス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス�ス�ス�ス

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

IOPSが5倍に向上&コストも80%削減、エクシングが選んだ大容量ストレージとは

カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。

製品資料 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

データソート性能向上でここまで変わる、メインフレームのシステム効率アップ術

メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

従来ストレージの約8倍の容量を確保、エルテックスが採用したストレージとは

ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

空冷だけではなぜ不十分? データセンターの熱負荷対策をどうする

CPUやGPUの性能向上に伴い、データセンターでは今、発熱量の増加にどう対応するかが課題となっている。特に高密度なサーバ環境では、従来のファンやヒートシンクに頼るだけでは熱管理が難しい。こうした中、企業が採用すべき手段とは?

製品資料 Dropbox Japan株式会社

ファイルサーバをアウトソーシング、「クラウドストレージサービス」の実力

中堅・中小企業の中には、IT担当者が社内に1~3人しかいないという企業も少なくない。そのような状況でも幅広い業務に対応しなければならないIT担当者の負担を減らす上では、ファイルサーバをアウトソーシングすることも有効だ。

驛「譎冗函�趣スヲ驛「謨鳴€驛「譎「�ス�シ驛「�ァ�ス�ウ驛「譎「�ス�ウ驛「譎「�ソ�ス�趣スヲ驛「譎「�ソ�スPR

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

オールフラッシュとハイブリッドフラッシュ、徹底的に比べて分かったこと:ハイブリッドフラッシュは市場から消える - TechTargetジャパン サーバ&ストレージ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

TechTarget驛「�ァ�ス�ク驛「譎「�ス�」驛「譏懶スサ�」�趣スヲ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...