公益事業のビッグデータ分析がリアルタイムになると得られる5大メリット電気、水道、ガスなど(1/3 ページ)

BI(ビジネスインテリジェンス)ソリューションは、設備集約型や現場主導型の公益事業会社に大変革をもたらす。それ故に「見えなかった」データの価値を見つけ出そうとする企業に普及する可能性が高い。

2017年06月05日 12時00分 公開
[Yatish PatilTechTarget]
社会生活に欠かせない電気水道ガスといった社会インフラはシステムが巨大なため、問題が発生する前兆をとらえるのが難しい

 公益事業会社が扱うデータの量は膨大だ。こうしたデータはさまざまソースから取得しており、その多様性も増している。だがこのような大量のデータのどこかに、将来の効率化につながる道がある。公益事業会社では、データを分析して洞察を得ることで、重要な事象を明らかにし、トレンドを特定することができる。その目的は、変化し続けるビジネスパターンに素早く適合することだ。

 電力の供給や需要への対応、給水管理やメーター検針の収集、石油の輸送や提供などは、公益事業会社にとって重要なサービスだ。こうしたサービスを顧客に提供するには、公益事業会社でインテリジェントな機能を採用する柔軟なビジネスプロセスが必要になる。適切な情報をふさわしい相手に適当な形式で然るべきタイミングで提供することは、リアルタイムBIの重要な側面だ。リアルタイムBIとは、業務に関する情報を発生と同時に最低限の遅延で提供するプロセスである。BIソリューションを導入することで、公益事業会社は、より適切に判断を下したり、自動化プロセスをサポートしたりしやすくなる。さらに、顧客が生活の中で電気、ガス、水道を管理することも後押しする。これが結果として、ビジネスにおける決断の最適化、業務改善、顧客満足度の向上に役立つ可能性がある。

 本稿では、リアルタイムBIが公益事業会社にもたらす明らかなメリットを5つに分類して紹介する。

1.設備パフォーマンスの最適化

 現場設備、ガスや水道などの配管網とその供給設備、配電設備などにおける潜在的な問題を特定することで、予定外のサービス中断を事前に回避できる可能性がある。また、設備故障やメンテナンス問題への対処が遅れると、業務の効率低下を招く恐れもある。このような効率低下を免れるには、設備のパフォーマンスと正常性を監視して、老朽化のポイントや設備の故障を予測することが肝要だ。そのため、設備データや業務データをリアルタイムで分析すると、こうした問題を解決できる可能性がある。設備の正常性、ピークの時間帯、供給と需要の分析、異常事態についてリアルタイムで洞察を得ることで、設備のパフォーマンス向上を促せる。

 公益事業会社では、充実したビジュアルと豊富な統計データを通じて分析機能を提供するデータ分析主導型のBIソリューションを採用しなければならない。BIソリューションの機能を利用することで、設備の信頼性、生産能力、可用性を向上させることが可能だ。その結果、設備のパフォーマンスが改善し、ピーク時の業務における円滑化が約束され、ダウンタイムが生じなくなる。また、スケジュールされたメンテナンス業務が行われるたびに設備の正常性に関する通知を受け取るようにすることもできる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       1|2|3 次のページへ

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

事例 株式会社primeNumber

一週間かかっていたデータ転送が30分で完了、事例に学ぶデータ基盤の導入効果

データの利活用を進めるためにはデータ基盤の導入が必要だ。しかし、データ基盤を構築/運用するためにはさまざまな課題を乗り越えなければならない。本資料では、データ活用環境の構築に成功した15社の事例からそのヒントを解説する。

製品レビュー 日本オラクル株式会社

有用なインサイトを獲得するには? 実践を阻む課題を解消するデータ基盤活用術

データから得られるインサイトを活用して、企業の競争力を強化していくことの重要性が高まっている。しかし、有用なインサイトの生成は簡単なことではない。その実践を阻む課題を確認しながら、解決策について解説する。

製品資料 ユーソナー株式会社

潜在ターゲットへのアプローチを効率化、消費者の真のニーズを捉える方法とは?

昨今、法人営業においては消費者のニーズを正確に捉え、迅速に対応することが求められている。こうした中で注目されているのが、インテントデータ活用による顧客の興味関心の可視化だ。本資料では、インテントデータのポイントを解説する。

市場調査・トレンド 株式会社セールスフォース・ジャパン

AI時代のデータガバナンス戦略、効果的に実装するために知っておきたい5つの柱

データの爆発的な増加に加えてビジネスにおけるAI活用が加速する中、AIのメリットを最大限に引き出すためにもデータガバナンスの重要性が高まっている。AI時代のデータガバナンスにおいて押さえておきたい5つの柱を解説する。

製品資料 日本電気株式会社

Tableauのクラウド移行により、運用負荷を削減しながら利便性を向上させる方法

データ分析・活用とその前提となるデータ可視化のため、多くの企業で導入されているTableau。有用性の高いツールだが、「運用・保守にコストやリソースが割かれる」などの課題もある。これらの課題を解消する方法を探る。

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...

news040.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。