BI(ビジネスインテリジェンス)ソリューションは、設備集約型や現場主導型の公益事業会社に大変革をもたらす。それ故に「見えなかった」データの価値を見つけ出そうとする企業に普及する可能性が高い。
公益事業会社が扱うデータの量は膨大だ。こうしたデータはさまざまソースから取得しており、その多様性も増している。だがこのような大量のデータのどこかに、将来の効率化につながる道がある。公益事業会社では、データを分析して洞察を得ることで、重要な事象を明らかにし、トレンドを特定することができる。その目的は、変化し続けるビジネスパターンに素早く適合することだ。
電力の供給や需要への対応、給水管理やメーター検針の収集、石油の輸送や提供などは、公益事業会社にとって重要なサービスだ。こうしたサービスを顧客に提供するには、公益事業会社でインテリジェントな機能を採用する柔軟なビジネスプロセスが必要になる。適切な情報をふさわしい相手に適当な形式で然るべきタイミングで提供することは、リアルタイムBIの重要な側面だ。リアルタイムBIとは、業務に関する情報を発生と同時に最低限の遅延で提供するプロセスである。BIソリューションを導入することで、公益事業会社は、より適切に判断を下したり、自動化プロセスをサポートしたりしやすくなる。さらに、顧客が生活の中で電気、ガス、水道を管理することも後押しする。これが結果として、ビジネスにおける決断の最適化、業務改善、顧客満足度の向上に役立つ可能性がある。
本稿では、リアルタイムBIが公益事業会社にもたらす明らかなメリットを5つに分類して紹介する。
現場設備、ガスや水道などの配管網とその供給設備、配電設備などにおける潜在的な問題を特定することで、予定外のサービス中断を事前に回避できる可能性がある。また、設備故障やメンテナンス問題への対処が遅れると、業務の効率低下を招く恐れもある。このような効率低下を免れるには、設備のパフォーマンスと正常性を監視して、老朽化のポイントや設備の故障を予測することが肝要だ。そのため、設備データや業務データをリアルタイムで分析すると、こうした問題を解決できる可能性がある。設備の正常性、ピークの時間帯、供給と需要の分析、異常事態についてリアルタイムで洞察を得ることで、設備のパフォーマンス向上を促せる。
公益事業会社では、充実したビジュアルと豊富な統計データを通じて分析機能を提供するデータ分析主導型のBIソリューションを採用しなければならない。BIソリューションの機能を利用することで、設備の信頼性、生産能力、可用性を向上させることが可能だ。その結果、設備のパフォーマンスが改善し、ピーク時の業務における円滑化が約束され、ダウンタイムが生じなくなる。また、スケジュールされたメンテナンス業務が行われるたびに設備の正常性に関する通知を受け取るようにすることもできる。
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