全社規模のDWH統合を実現するTeradataの「EDW」構想DWH製品紹介:日本テラデータ

DWH専業ベンダーのテラデータがビッグデータ時代のデータ活用基盤として提唱するのが「エンタープライズ・データウェアハウス」(EDW)だ。同社の製品概要と併せてその構想を紹介する。

2012年01月27日 09時00分 公開
[吉村哲樹]

DWHのパイオニアが提唱する次世代ソリューション「EDW」

 データウェアハウス(DWH)の世界で、長らくデファクトスタンダードの地位を占め続けてきたベンダーが米テラデータだ。DWH市場の急激な成長に伴い、今日でこそ数多くのベンダーが市場に参画して激しいシェア争いを繰り広げているが(関連記事:ビッグデータ対応のために進化するDWHアプライアンス)、かつては「DWH」と「テラデータ」はほぼ同義といってもいいほど同社の存在感は圧倒的だった。もちろん今日でも同社はDWH市場におけるトップランナーの地位を維持している。

画像 日本テラデータの丹 隆之氏

 1979年に世界初のDWH専業ベンダーとして産声を上げたテラデータは、以来世界中で約1200社、2500システム以上の導入実績を積み上げてきた。同社の社名「テラデータ」は、「Tバイト級」のデータを扱う意思決定支援システムの実現を目指したことに由来する。しかし現在では、P(ペタ)バイト級のデータを運用するユーザーも珍しくないという。日本テラデータ マーケティング統括部 プロダクト・マーケティング&マネジメント部 部長の丹 隆之氏は、次のように述べる。

 「カタログスペック上で“Pバイト級”をうたうベンダーは多いが、実際にそれらの製品のユーザーがそれだけの規模のDWHを運用している例はさほど多くない。しかも、単にPバイト級のデータをため込むだけでなく、それを実際に活用して業務に生かしている例となるとさらに少ない。しかしテラデータ製品のユーザーの中には、実際にPバイト級のデータをビジネスに有効活用している事例が多く存在する。例えば米eBayでは現在、数十Pバイトものデータを運用・活用している」

社内に散在するDWHを1つに集約

 そんな同社が現在積極的に提唱しているのが、「エンタープライズ・データウェアハウス」(EDW)と呼ばれる次世代のDWHソリューションだ。2000年代後半、多くの企業が積極的にDWHシステムの構築に乗り出したが、現在その多くで新たな課題が持ち上がっている。それが、社内に散在する複数のDWHの管理だ。社内の各部門のニーズに応じて個別にDWHやデータマートを構築していった結果、それぞれに保管されたデータの内容が重複したり、あるいは整合性が取れなくなってきているのだ。また、同種のシステムが社内に複数散らばっている状況は、運用管理面でも効率が悪い。

 こうした問題を解決するために、「社内の情報系システムのデータを全て単一のDWHに集約して、一元管理しよう」というのがEDWのコンセプトだ。テラデータでは現在、このEDWを実現するための製品提供はもちろんのこと、ユーザー企業のEDW構築プロジェクトをサポートするための各種支援サービスも提供している。

 「EDWは、製品を導入すれば実現するというものではない。むしろ構築の“プロセス”こそが重要だ。そこでわれわれは、EDWに徐々にデータを足していく段階的な構築プロセスを提唱している」

 例えば、まずは受注データをEDWに集約して、全社的な販売分析の仕組みを構築する。これに在庫データを追加すれば、在庫分析はもちろんのこと、受注データと在庫データを掛け合わせたクロス分析も可能になる。さらに需要データを追加すればクロス分析の切り口はさらに増える。つまり、EDWに投資すればするほどそこから得られるビジネス価値はそれ以上に高まっていくことになるのだ。「このような相乗効果を生むことができるプロセスを、顧客とともに実現していきたいと考えている」

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