IoTで普通のポンプが「スマートポンプ」に変身? 重電大手Schneiderが挑戦先駆的5社が証明した「IIoT」の底力【前編】(1/2 ページ)

産業用IoT「IIoT」で大きく前進した世界的な製造業は、製造プロセスの改善やコスト節約などのメリットを享受している。前編では先駆的な5社のうち、2社の取り組みを追う。

2016年08月09日 15時00分 公開
[Steve ZurierTechTarget]
IIoT IoTは製造業のビジネスをどう変えるのか《クリックで拡大》

 ITコンサルティング会社のAccentureが最近、IoT(モノのインターネット)とIIoT(産業用IoT)に関して大々的に宣伝し、最新の研究で「2030年までにIIoTによって生み出される経済価値は、世界中で15兆ドルに達すると推定できる」と発表した。

 IT調査会社Forrester Researchでバイスプレジデントと主席アナリストを務めるフランク・ジレット氏によれば、この宣伝は真実に裏付けられたものだという。企業はコストとダウンタイム(サービス停止時間)を抑えて顧客のエクスペリエンス(経験価値)を高めたいと考えており、IIoTの話になると真剣な顔をするのだ。

 「企業が望んでいるのは、より高いレベルで自社の製品について再考するチャンスを得られることだ」とジレット氏は語る。「新しいコンプレッサーにセンサーを取り付けるだけでは十分とはいえない。そのコンプレッサーを売り込み、新しい分析システムが生成するデータに基づいて顧客に従量課金モデルを提供するやり方を変えたとき、本当に状況を改善することができる」(同氏)

 米マサチューセッツ州ニーダムに本拠地を置くIIoT団体Industrial Internet Consortiumで専務取締役を務めるリチャード・マーク・ソーレイ氏は、次のように述べる。「製造拠点が1980年代以降大きく縮小した米国にとって、IIoTを導入した企業は期待の星だ。製造業界を一気に回復させられる見込みがある」

 企業はIIoTによって実際に前進している。大手化学製造業の3Mが導入した、交換パーツを自動で注文する水ろ過システムや、大手制御機器製造Honeywell InternationalのビジネスユニットHoneywell Process Solutionsによる、石油精製所のダウンタイム短縮を目指した再設計プロセスへの取り組みなどが、その代表例だ。

Schneider Electric

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       1|2 次のページへ

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news064.jpg

「ブランドは叩かれて強くなる」 ジャガーのCMOが語った炎上の乗り越え方
SXSWで開催された「Female Quotient」のイベントにおいて、Jaguar Land Roverの米国CMOは...

news069.jpg

生成AI検索は売り上げにプラス? マイナス? 企業に求められる戦略転換
生成AIが主流になるこれからの検索で企業にはどのような姿勢が求められるのでしょうか。

news073.jpg

社会人Z世代の休日の過ごし方 関東と関西の違いは?
大広若者研究所「D'Z lab.」は、37人へのインタビューと1000人へのアンケートを基に、社...