リアル店舗強化中のトイザらス、iPad導入で販売数400%増店舗の役割を転換

ネットショッピングが増大する中で、リアル店舗を強化して顧客の来店数増を目指すトイザらス。同社のさまざまな施策を紹介する。

2017年07月07日 08時00分 公開
[Clare McDonaldComputer Weekly]
Computer Weekly

 子ども向け玩具とゲームの小売業者Toys“R”Us(以下、トイザらス)は、店舗にタブレットを導入して店舗スタッフの顧客対応力を改善しようとしている。

Computer Weekly日本語版 7月5日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 7月5日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 英国トイザらスのリードエグゼクティブを務めるフランク・ムツカ氏は、2017年のRetail Business Technology Expo(RBTE)で、英国内の各店舗に2台の「iPad」を導入し、店舗アドバイザーが製品情報に簡単にアクセスできるようにしたと語った。

 「顧客が店舗で体験する全てを、あらゆる点で強化しなければならない。その1つの方法が、顧客の応対に最新技術を駆使することだ」と同氏は話す。

 オンラインチャネルで購入する顧客が増えている中、店舗は単なる購入場所ではなく、実体験を目的とする場所になってきている。

 ムツカ氏によれば、店員が商品検索システムを備えたタブレットを持ち運び、在庫商品についてのさまざまな情報を得ることで、顧客が求める商品がその店舗で手に入るかどうかがすぐに分かるという。

 店舗でタブレットを使う試みにより、顧客は適切な商品を選べるようになる。例えば、チャイルドシートを装着する車種、子どもの年齢、予算をiPadアプリに入力すれば、店員はこれに基づいて適切なチャイルドシートを薦めることができる。

 この種の体験型の購入は顧客にとって非常に貴重であり、追加の情報や助言があれば顧客は購入の意思を固める。そして、店員と顧客との個人的交流を増やすことができる。

 ムツカ氏によると、店舗へのテクノロジー導入以来、売上高や販売数は増加しており、通常の店舗売り上げの中でタブレットが支援した販売数は400%増を記録しているという。

 ムツカ氏は次のように話す。「もっと多くの顧客データを入手する必要がある。iPadの使用と会員登録により、この分野での爆発的成長が見込める」

シームレスな購入体験の開発

 同社はタブレットを将来のモバイルPOSシステムにすることを考えている。そのため、端末で使う必要があるアプリケーションを店舗スタッフに確認している。

 タブレットをPOSシステム化すれば、小売業者は店舗体験での摩擦をなくすことができる。同社は、顧客が頭金を払って商品を予約し、後日その商品を受け取る「Take time to pay(TTTP)モデル」の導入も検討している。

 これらは、トイザらスが店舗を「顧客が足を運ぶ場所」にするために試している幾つかの小さな取り組みにすぎない。ムツカ氏は、「実際に商品に触れて楽しむ魅力的なショールーム」を提供する物理空間に「再投資」していると語る。

 仮想現実のキャラクターを表示する「マジックミラー」などの商品や、子どもたちが商品を実際に使ってみる場所を導入することで、トイザらスの店舗はこれまで以上にインタラクティブになっている。

 同社は、顧客がブランドや製品の雰囲気を感じられる小規模店舗も初めて展開し、大規模倉庫型店舗のサブセットとしての機能を持たせている。

 「顧客がわざわざ実店舗をのぞかなくなった昨今では、店舗を素晴らしい場所にしなくてはならない」(ムツカ氏)

モバイルショッピング

 こうした技術主導の店舗体験が自社ブランドのチャネル全体につながるように、同社はEコマースプラットフォームの開発にも継続的に取り組み、顧客にパーソナライズしたオムニチャネル体験の提供を試みている。

 スマートフォンの登場により、顧客のショッピング方法やブランドとの接触方法は変わった。

続きはComputer Weekly日本語版 7月5日号にて

本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。


Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー

Computer Weekly日本語版 6月21日号 Microsoft帝国からの脱出

Computer Weekly日本語版 6月7日号 Bluetooth 5仕様の真意とは?

Computer Weekly日本語版 5月24日号 ブロックチェーンの意外な活用法


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

製品資料 TeamViewerジャパン株式会社

リモート接続におけるITサポートチームの負担軽減、AIによる業務効率化の実践術

リモート接続におけるITサポートチームは、安定稼働が大きな使命の1つだが、近年はシステムの複雑化に伴い、ITオペレーションの負担が増大している。本資料では、AIを活用してITオペレーションの効率を大きく改善する方法を紹介する。

製品資料 TeamViewerジャパン株式会社

短期間かつ低リスクで、リモートアクセスツールの導入を完了させる方法

昨今、多くの企業が業務にリモートアクセスを取り入れているが、リモート接続ツールの導入には、専門知識が求められる。また初期設定や運用設計などを自社で行う場合、最適化されていないケースも多い。どのように解消すればよいのか。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

iPhoneやAndroidスマホを「ノートPC」に変える方法

スマートフォンの進化により、「ノートPCとの2台持ち」の必要性は薄れつつある。スマートフォンをノートPCとして使うための便利な方法を解説する。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「在宅ワークに飽きた」を解消する“激推しガジェット”はこれだ

テレワークの普及に伴い、スムーズな仕事を実現するだけではなく、ギークの知的好奇心さえも満たすガジェットが充実している。ギークが他のギークに“激推し”したくなるガジェットを紹介しよう。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「Galaxy S24」が予感させる“AIスマホ時代の始まり”

AI(人工知能)技術の活用が広がる中で、スマートフォンの利用はどう変わろうとしているのか。Samsung Electronicsが発表したスマートフォン新シリーズ「Galaxy S24」を例にして、“AIスマホ”の特徴を紹介する。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

繧「繧ッ繧サ繧ケ繝ゥ繝ウ繧ュ繝ウ繧ー

2025/05/08 UPDATE

TechTarget郢ァ�ク郢晢ス」郢昜サ」ホヲ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス郢晢スゥ郢晢スウ郢ァ�ュ郢晢スウ郢ァ�ー

2025/05/08 UPDATE

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。