データ分析に関するカンファレンスで、専門家達は人工知能(AI)の業務利用におけるデータ管理の重要性、エッジ分析の可能性、EUの一般データ保護規則(GDPR)施行で起こり得る業界動向などについて予測した。
人工知能(AI)分析アプリケーションの業務利用は、今後12カ月は増加を続けるだろう。だが、その結果としてAI分析を動かすアルゴリズムを適切に管理し、編成するニーズも高まる。
これは2017年7月に米国オレゴン州グランツパスで開催した「Pacific Northwest BI & Analytics Summit」での予測の1つだ。ITコンサルタントとベンダー幹部のグループが一堂に会したこのサミットでは、ビジネスインテリジェンス(BI)、高度分析、データ管理のトレンドについて議論が交わされ、これらのトレンドの先行きを予測していた。他にもエッジ分析や、2018年にEUで施行される新しいデータプライバシー規則などのトピックにも注目が集まった。その中でも、予測に関して最も重要な議題となったのがAIだ。
「従来のツールと人間の知力では、多様なビッグデータを集めて蓄積しても、それを効率良く分析できないと考える企業が増えている」。こう述べるのは、コンサルタントのイブ・デ・モンシューイ氏だ。同氏は、マーケティングと戦略についてテクノロジースタートアップ企業を支援している。結果として、ビッグデータアプリケーションから実際にビジネス価値を得るには、AIアプリケーションがますます重要になると同氏は考えている。
「AIは新たなトレンドになっている」とデ・モンシューイ氏が発言すると、すぐさまIBMの幹部、ハリエット・フライマン氏は、AIを「新たな富の象徴」だと言い直した。
だが、企業でAI分析が一般的になると、そのプロセスを管理することが従来にも増して重要になり、管理の複雑さも高まると予測される。
「分析チームは、『AIシステムの構成』により多くの注意を払わなければならなくなる」そう主張するのは、コンサルタント会社TreeHive Strategyでプリンシパルを務めるドナルド・ファーマー氏だ。分析チームには管理と監視に関する詳細手順を導入することも求められるという。「企業で数百、数千という数のアルゴリズムを整備することになるためだ」とショーン・ロジャース氏がこれに同調する。同氏はベンダー企業Tibco Softwareで分析戦略部門のシニアディレクターを務めている。
Gartnerでアナリストを務めるメルブ・エイドリアン氏は、相互通信が可能であると同時に単独でデータを採取できるAI対応のツールとデバイスで構成されたネットワークについて予測する。「こうしたネットワークが進化するとはっきりすることがある。それはデータサイエンティストなどのアナリストは、従来の意味でのAIユーザーではなく、『AIシステムへの参加者』になるということだ」(エイドリアン氏)
取り組むべきもう1つの問題は、AIアルゴリズムによって予測される内容の不確実さのレベルだ。ファーマー氏は次のように語る。「AIベースの分析モデルは適切に設計していれば精密になる傾向がある。だが、その予測結果が100%正しい可能性はほとんどない。企業幹部がAIテクノロジーに絶対的な確実さを求めないように、こうした実情を説明する必要がある。物事がアルゴリズムによって推進される世界になるなら、その曖昧さを伝えることができなければならない」(ファーマー氏)
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