Office 2016だけではまねできない、Office 365の多彩なデータ処理機能拡大するOffice 365の全体像(前編)

Office 365はアプリスイートの枠を超え、データ処理ポータルという新たな価値を創造してきた。Office 365のツールを組み合わせることで、どのようなアプリが生まれるだろうか。

2017年10月24日 08時00分 公開
[Simon BissonComputer Weekly]

 「Microsoft Office」はかつて、非常にシンプルな製品だった。ソフトウェアのパッケージを買い、「Word」「Excel」「Outlook」「PowerPoint」をインストールすれば、それでよかった。

 しかし「Office 365」の登場により、このシナリオは一変した。月額料金とクラウドサービスを含むサブスクリプションモデルに移行し、「Microsoft Business Productivity Online Suite」をバンドルするようになった。使い慣れたデスクトップOfficeアプリケーションと併用してもらうのが狙いだった。

生産性へのポータル

 Office 365の中心となっているのは「Office Portal」だ。Webホスト型のサービスで、管理者はこのサイトでユーザーを管理でき、ユーザーは自分に割り当てられているソフトウェアのインストールやサービスを管理できる。

 Office 365ポータルの左上部にあるグリッドアイコンをクリックすると、ツールとサービスの一覧が表示される。同社のツールとサービスの認知度を上げるのに大きく貢献したのは2つの重要なテクノロジーである「Microsoft Graph」と「Common Data Model」だ。

 Microsoft Graphは、前掲の要因の中でも貢献が大きい方だといえる。Office 365クラウドサービスと連携する一連のAPIであり、これを使えば個人データをワークグループや組織全体と関連付けるようなクエリを作成し、組み合わせることができる。以前のOfficeプログラミングモデルを論理的に拡張したもので、ローカルのドキュメントやデータに対してだけではなく、適用対象の環境の拡張や縮小にも対応できる。

 Microsoft Graphの興味深い点は、




続きを読むには、[続きを読む]ボタンを押して
会員登録あるいはログインしてください。






Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

事例 アステリア株式会社

ノーコードでアプリ開発とデータ連携を実現、9社の事例に学ぶ現場DXの推進術

工場や倉庫などの現場では、人手不足などにより業務負担の増大が懸念されており、業務のデジタル化と業務プロセスの改善が急務となっている。そこでモバイルアプリの作成からデータ連携までをノーコードで実現できる製品が注目されている。

製品資料 ジオテクノロジーズ株式会社

6つのユースケースから学ぶ、「人流データ」の効果的な活用方法

広告や小売、観光振興、まちづくりなど、さまざまな領域で導入が進む「人流データ」。その活用でどのような施策が可能になり、どのような効果が期待できるのか。人流データ活用の6つのユースケースを紹介する。

製品資料 ジオテクノロジーズ株式会社

基礎から解説:「人流データ」の特徴から活用におけるポイントまで

人の動きを可視化した「人流データ」。屋外広告の効果測定や出店計画、まちづくりや観光振興など幅広い領域で活用されている。その特徴を確認しながら、価値のある分析・活用につなげるためのポイントを解説する。

事例 アルテリックス・ジャパン合同会社

地図情報によるデータ分析作業を効率化、ゼンリングループ企業はどう実現した?

多くの企業でデータ活用が模索されているが、データ処理の煩雑さや属人化が課題となっている企業は少なくない。そこで注目したいのが、データ分析ツールの活用で課題を一掃した「ゼンリンマーケティングソリューションズ」の取り組みだ。

製品資料 サイオステクノロジー株式会社

ITインフラの自動化を実現、いま注目のクラウド型マネージドサービスの実力

複雑化を続けるITシステムの運用管理は、企業にとって大きな負担だ。そこで負担を軽減するものとして注目したいのが、クラウド上でさまざまな機能を利用できるマネージドサービスだ。本資料では、その詳細を解説する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。