AmazonとMicrosoftが提供する深層学習のライブラリ「Gluon」は、クラウド環境で機械学習をより簡単に利用できるようにするものだ。大手2社の提携は、機械学習や深層学習に取り組むことの重要性を象徴している。
Amazon Web Services(Amazon)とMicrosoftは、最も有名なパブリッククラウドプロバイダーであり、後者は前者がクラウド市場において大きなリードを取っている中で、これに割り込もうと試みてきた。しかし今回この2社は、予想外なことに、特定のプロセスを自動化し開発者にとって機械学習がより使いやすくなることを目指すオープンソースの深層学習ライブラリ「Gluon」の共同開発を促進するために、ライバル関係を棚上げした。
これらの2社に加え、GoogleやIBM、その他の会社も、クラウド環境における機械学習や、それぞれのプラットフォーム上で開発される深層学習アプリケーションが大きな可能性を秘めていることを認識している。しかし、これらの手法はたいていの場合、データサイエンティストの利用に限られてきた。なぜなら、一般の開発者にはこれらのアプリケーションの基礎となるモデルを構築・訓練するためのスキルがないからだ。
クラウドプロバイダーは、クラウド環境におけるアプリケーション開発にデータサイエンティストをひきつけるために、GPUを割り当てた仮想マシンを販売しており、画像認識や自然言語処理用に用意されたモデル向けのAPIを提供している。しかし、開発者に負担をかけ過ぎることなくカスタマイズできる妥結点を見いだす取り組みは依然として黎明期にある。
「深層学習は、目新しいものを受け入れられない人向けではありません。ニューラルネットワークにますます多様な層が組み込まれており、従来の機械学習とは異なる」とForrester Researchのアナリストを務めるマイク・グアルティエーリ氏は言う。「知る必要があると思われる多くのことは開発者が意識する必要のない裏側で処理され、深層学習をより簡単に利用できるようにする」
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