HCI無しで設定自動化や簡単VM構築が可能に
ハイパーコンバージドインフラをあえて持たない企業の運用効率化術とは(1/2 ページ)
ハイパーコンバージドインフラ(HCI)は簡単に仮想化環境を整えることができる製品だ。だが当然全ての企業が導入しているわけではない。HCIがなければ仮想化環境を使いこなすことは難しいのだろうか。
ハイパーコンバージドインフラは、仮想化管理基盤に関わる運用業務を軽減する。ただし、ハイパーコンバージドシステムに投資しなくても運用負荷は軽減できる。
ストレージプロビジョニングの簡略化
ハイパーコンバージドインフラ(HCI)は、ストレージを導入する際の重要だが手間がかかる2つの作業を削減できる。1つは論理装置番号(LUN)のプロビジョニング(初期設定作業)、2つ目はストレージのマルチパス管理(複数の物理的な経路を論理的に1つにまとめること)だ。HCIを提供しているベンダーのNutanixとSimpliVity(HPE)は、仮想ストレージ製品へのネットワークファイルシステム(NFS)アクセスを利用して、LUNやマルチパスの設定を不要としている。例えば「VMware vSAN」は、ストレージをハイパーバイザー(仮想化ソフトウェア)に直接接続させることで設定を不要としている。こうした管理作業から全て解放されることはないが、構成を簡略化し、その構成をハイパーバイザー管理基盤に統合することで、データセンターのプロセスを最適化することができる。
併せて読みたいお薦めの記事
ハイパーコンバージドとは何か
プロビジョニングはHCIの専売特許ではない
プラグインでの設定自動化も有効
サードパーティー製プラグインの中には、ストレージベンダーが用意したストレージの構成を「VMware vSphere」(VMwareの仮想化ソフトウェア群)のクライアントに統合するものがある。「VMware vCenter Server」(ハイパーバイザー管理ソフトウェア)はこのプラグインと互換性がある。「VMware vSphere ESXi」(ハイパーバイザー)の最適な詳細設定と、必要なマルチパスを自動的に設定する。大体、数回のクリック操作だけでクラスタ全体にわたってLUNとデータストアの新しい導入を自動化できる。ストレージシステム側だけ見ても、ほとんどの構成を自動化しているためRAIDグループを別途構成する必要がなくなっている。
例えばストレージの製造販売をしている米企業Pure StorageがvSphere向けに提供しているプラグインでは、VMware vCenter Serverへの初回接続時にVMware vSphere ESXiのホスト構成のほとんどを処理する。このプラグインを利用するために必要なのはデータストア(仮想環境用ストレージ群)の名前とサイズだけだ。LUNを用意し、フォーマットするのはプラグインの役割だ。またVMwareの「Storage DRS」は、データストアのグループ間で容量と負荷分散に対処できる。これらのツールを導入しても、作業量はHCI製品を導入する前と変わらない。ただ自動化などにより作業自体が簡略化するため運用チームの負荷は下がる。
VMプロビジョニングの簡略化
HCI製品は、データセンターがVM(仮想マシン)を導入するプロセスを変えることはない。だが、オーケストレーションツールは違う。「VMware vRealize Automation」や「Embotics vCommander」などのオーケストレーションツールつまりクラウド管理基盤は、ユーザーがポータルからVM導入を可能とする。仮にビジネス部門が独自のVMを導入できるようにすれば、企業のビジネスのスピードは向上するだろう。導入ルールをあらかじめ運用チームが設定しておけば、問い合わせ対応もなくなるためヘルプデスク業務の省力化できる。
最新HCI製品でも、VMの企画立案から導入、廃止までの一連の流れ(ライフサイクル)管理を簡略化しないものがある。運用中のVMならそれほど気にならないが、稼働を終了したVMの場合は放ってはおけない。前述のようなVMを部門で自己管理するツールを使えば、VMのライフサイクル管理も可能だ。不必要なVMを自動的に追跡して削除するといい。
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