2017年12月07日 09時00分 公開
特集/連載

「ハイパーコンバージドはちょっと」という人に知ってほしいNVMeとSDSの深い関係より安価でより高いスループットを提供するHCI

ハイパーコンバージドインフラ(HCI)は仮想サーバシステムの利用を選択している管理担当者にとって魅力的な選択肢だ。登場から少し時間がたち、性能も向上している。改めて知るべきポイントを解説する。

[Jim O'Reilly,TechTarget]
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 ハイパーコンバージドインフラ(HCI)は、複数のサーバとストレージを1つの製品として集約しており、単一のベンダーが提供する。ディスクドライブ技術の高速化や大容量化に伴い、ローカルストレージが高価なディスクアレイに取って代わるようになってきている。ローカルドライブのスピードや容量は現在も増加し続けているため、管理担当者にはハイパーコンバージドサーバのメリットを再度吟味し、従来の選択肢と比較することをお勧めしたい。ポイントを5つに絞って解説する。

ディスクドライブが進化

 従来、ディスクドライブが洗濯機のように大きかった頃にさかのぼると、大規模なストレージ構成装置はサービスを提供するサーバ本体からは切り離されていた。この方式では、一般的にストレージエリアネットワーク(SAN)を利用していた。SANにおいては、複数のサーバが同一のストレージを共有する。

 HCIでは高速なローカルストレージが付属している。サーバとストレージが一体化しているというわけだ。SANを使う場合に比べてネットワーク負荷などを考慮しなくてもよくなり、読み込み速度が高速化する。ちなみに以前から、プログラムのローディングを高速化するために、サーバにはローカルディスクドライブは組み込まれていた。その後、ディスクドライブは2.5型まで小型化されたため、メーカーは複数のドライブを備えたサーバを販売するのが一般的になっていった。

容量が増加中

 ソリッドステートドライブ(SSD)の処理速度の向上により、現在では、データの圧縮や重複排除が可能になった。結果、実効容量が5倍以上増加し、2U(ユニット)構造でありながら3.5P(ペタ)B以上の容量が備わることを意味する。このためIT管理者は例えばSANなどの中央集中型ストレージ製品の代わりにSSDを利用することが可能になった。ハイパーコンバージドインフラは、独自のソフトウェアを使用して、複数のサーバ端末からSSDストレージを共有することができる。

ハイパーコンバージドサーバとDDA

 NVMe(Non-Volatile Memory Express)プロトコルが出現し、メインストレージとしてのSSD利用が推奨されると、HCIが描いてきたストーリーが一変した。NVMeはシステムのオーバーヘッドを劇的に抑えつつ、リモートダイレクトメモリアクセス(RDMA)を使用して転送スピードを向上させる。

 フラッシュ製品を扱うExceleroによる最近のイノベーションの1つにNVMe over Ethernet(フラッシュストレージに最適化されたプロトコルであるNVMeをネットワークに拡張するプロトコル)の利用がある。任意の端末がRDMAを利用して、任意のドライブに接続できるようになるといったものだ。見掛け上はローカルストレージに直接アクセスしているようになる(ダイレクトドライブアクセス、つまりDDAの実現)。

 ダイレクトドライブアクセスは転送経路を比較し、HCIのサーバ経由のデータに起因するボトルネックを解消する。これによってレイテンシ(通信の遅延時間)を抑え処理能力を向上させる。将来のストレージシステムに取って代われる可能性を秘めている。

HCIの未来

 HCIは、まだ新しい概念だ。このため、幾つかの構成は大手システムベンダーが設定した状態で提供している。しかし、Nutanixをはじめとするソフトウェアサプライヤーがコードを直接利用できるようにすることを期待している。もしそれが実現すれば、ユーザーの好みに合わせてソフトウェアを統合できるようになる。

 HCI本体はいわゆる商業用の、しかも既成の箱だ。つまりハードウェアの価格は独自ストレージシステムの中のごくわずかにすぎない。ドライブは販売業社から購入するとロックイン機能を搭載していない、低価格の標準的なデバイスになってしまうだろう。高性能を求めるのであれば価格が必然的に高くなる。大手ベンダーであってもその現実には勝てない。この価格をいかに抑えられるかがHCI発展の鍵となるだろう。

ソフトウェア定義型ストレージのニーズ

 ソフトウェア定義型ストレージ(SDS)はストレージの仕組みを仮想化する。このデータサービスは、VM(仮想マシン)またはコンテナ内で別個のパッケージとして提供されるようになっている。そのためコードチェーン(一連のプログラム群)の入手や設定がこれまでよりもずっと柔軟にできるようになる。

 SDSは今後3年間のHCIと足並みをそろえるだろう。というのは、各端末のローカルドライブを利用できるHCIは処理の高速化に都合がよいためだ。ただ、NVMe over Ethernetの活用が進めば、それに応じてストレージの断片化が起こり、共有ストレージが簡単に構築できるようになるかもしれない。実際どうなるかは、HCIがユーザーの求める拡張性を十分に提供できるかに掛かっている。

 HCIは従来の方法よりも、より安価でより高いスループット(一定時間あたりのデータ処理能力)になっている。今のところ販売台数も順調に伸びている。HCIが今後普及することは間違いないだろう。

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